「甘酒」というと、今は“冬の飲み物”というイメージがありますが、江戸時代は「甘酒売り」が夏の風物詩だったそうです。
甘酒にはビタミンB群やアミノ酸をはじめ、食物繊維やミネラル、糖類など、豊富な栄養が含まれ夏バテ対策にはとても効果的。
今回は、さらに栄養価がアップする、玄米を使った甘酒作りにチャレンジしてみましょう。
-目次-
1. 材料は、玄米ご飯、熱湯、米麹、これだけです!
2. 甘酒は栄養満点でダイエットにもいい!?
3. 夏にオススメ「冷やし玄米甘酒」
4. 白米よりも玄米を選びましょう
5. 簡単にできる玄米甘酒アレンジレシピ
5-1 甘酒豆乳ラテ
5-2 白味噌ディップ
5-3 すはま
5-4 玄米甘酒のいちごプリン
5-5 黒胡麻玄米甘酒アイス
1. 材料は、玄米ご飯、熱湯、米麹、これだけです!
用意するのは、炊き上がった玄米ご飯300g、米麹100g、フタ付きの保存容器、ミキサー、炊飯器です。玄米ご飯は冷めている場合は、蒸しなおす等温めてください。米麹(乾燥麹)は、手でよくほぐしておきます。
まず、熱々の玄米ご飯と熱湯をミキサーにかけます。
これをフタ付きの保存容器に移し、温度が70℃以下になったら、ほぐしておいた米麹を入れてかき混ぜます。
あらかじめ水を入れ、保温状態にしておいた炊飯器に、米麹も入った保存容器を入れ(湯煎状態)、ぬらした厚手の布巾をかけます。この時、炊飯器のフタは開けたままにします。
時々かき混ぜながら、55〜65℃位を保てるように調節し、6〜8時間ほど保温すれば出来上がりです。
お好みに合わせて、水などで割ってお召し上がりください。
【ワンポイントアドバイス】
・発酵時間を長く取りたいとき(一晩など)は、ご飯に加えるぬるま湯を若干多めにしてください。
・保存は一度加熱沸騰させてから、冷蔵あるいは冷凍で保存し、早めにお召し上がりください。
・ご飯の粒々が気になる場合は、ミキサーにかけるとなめらかになります。
【ヨーグルトメーカーで作る場合】
材料を全てヨーグルトメーカーに入れてよく混ぜます。
温度を60℃にセットして、6時間ほど保温すればできあがりです。
2. 甘酒は栄養満点でダイエットにもいい!?
でき上がった甘酒は、冷蔵庫で5〜7日保存できます。使い切れなければ、冷凍保存も可能です。
つくるプロセスで最も気をつけたいポイントは、温度を70℃以上にしないこと。70℃以上になると、酵素が失活してしまい、糖化が進まず甘くなりません。また逆に低過ぎると、雑菌が生えやすくなり、味も酸っぱくなってしまうのでご注意を。
甘酒には、ビタミンB1、B2、B6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖、システイン、アルギニン、グルタミンなどのアミノ酸、そしてブドウ糖がたっぷり含まれているので、
「飲む点滴」という表現が用いられることもあるそうです。脂肪を燃やしエネルギーに変えてくれるアミノ酸が多く含まれているので、ダイエットにもいいとか。
3. 夏にオススメ「冷やし玄米甘酒」
夏は冷やしてサッパリといただける「冷やし玄米甘酒」がオススメ♪
麹を使った発酵食品は、栄養素をエネルギーに変えるために必要なビタミンB群が増加します(※)。江戸時代は、ビタミンB群が豊富な麹で作った甘酒を夏に飲み、夏の暑さを乗り切っていたそうです。
※Journal of Computer Aided Chemistry , Vol.18 (2017)に掲載
「麹」マメ知識〜麹菌は日本の国菌〜
麹を作るのに欠かせない麹菌は日本の環境でしか育たず、かつ、味噌や醤油、酒、漬物などの日本の伝統食品の発酵・醸造になくてはならないものです。
麹菌(アスペルギルス・オリゼー )は、古くから日本の豊かな食文化に貢献してきたことが評価され、2006年10月12日、日本醸造学会により「国菌」に認定されました。
日本醸造学会の発表文には「今後ますます産業的に重要な菌として医薬品をはじめ、広い分野で有用物質の生産に用いられるであろう。」と書かれているほど、日本の貴重な財産として認められています。
4. 白米よりも玄米を選びましょう
今回ご紹介したレシピは玄米を使用しましたが、市販のものは通常もち米が使われています。
玄米ご飯は白米ご飯に比べると、ビタミンB2は約2倍、食物繊維は約5倍、ビタミンB1にいたっては約8倍も含まれています。甘酒作りには玄米ご飯がオススメです。
しかし、家で玄米ご飯を用意するのが面倒・・・という方もいらっしゃるかと思います。そんな方は、玄米で作った「玄米麹」を活用してみてはいかがでしょう。白米ご飯でも、玄米麹があればカンタンに「玄米甘酒」が作れます。一般的に多い白米の麹と違い、玄米を使っているので健康と美容によい成分がたっぷりです!
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5. 簡単にできる玄米甘酒アレンジレシピ
簡単にできる玄米甘酒のアレンジレシピもご紹介しますので、ぜひ、お家でチャレンジしてみてください。
5-1 甘酒豆乳ラテ
-材料-(1人分)
● 玄米甘酒:70〜120g
● 豆乳:100cc
-作り方-
@ 玄米甘酒と豆乳を混ぜるだけ。
-Point-
冷やしても、温めても美味しくいただけます。すりゴマを加えると風味も更によくなります。冬はおろし生姜を加えると、体が温まります。麹の粒々が気になる方は、ミキサーにかけるとなめらかになります。
5-2 白味噌ディップ
-材料-
● 玄米甘酒:50g
● 味噌:大さじ1
● 塩:適量
-作り方-
@ 材料を混ぜ合わせて完成。
-Point-
野菜スティックや温野菜につけたり、ナスや豆腐に塗って焼き、田楽風にしたり、いろいろと使えます。
5-3 すはま
-材料-
● 玄米甘酒:大さじ2
● 元氣大豆21(粉末):大さじ4
-作り方-
@ 材料をよく混ぜ合わせて丸め、元氣大豆21(分量外)、抹茶などをまぶします。
5-4 玄米甘酒のいちごプリン
-材料-(6人分)
● 豆乳:250ml
● いちご:70g
● 粉寒天:小さじ1/2(1g)
● 葛粉:大さじ1/2
● 玄米甘酒:50ml
● メープルシロップ:適量
● いちご(飾り用):適宜
-作り方-
@ いちごは粗みじん切りにします。鍋に半量の豆乳、粉寒天、葛粉を入れ、よく混ぜて溶かしてから火にかけて、沸騰させます。
A 火を止めて、残りの豆乳、玄米甘酒、@のいちごを加えてよく混ぜ、グラスに注ぎます。
B 冷蔵庫に入れ冷やし固めます。いちごを飾り、お好みでメープルシロップをかけていただきます。
5-5 黒胡麻玄米甘酒アイス
-材料-(4人分)
● 玄米甘酒:200cc
● 豆乳(濃さ11%以上の無調整豆乳がおすすめ):100cc
● 塩麹:小さじ1
● 黒練り胡麻:大さじ2
-作り方-
@ すべての材料をミキサーにかけ、容器に移し冷蔵庫で冷やします。(一晩以上凍らせるとしっかり固まります。)
★麹を使ったレシピをもっとご覧になりたい方は
こちら参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)