春の日差しが心地よい季節になってきました。
薄着になってくるにつれて気になるのが、冬の間についてしまった二の腕やお腹周りの脂肪。
ダイエットまたは健康維持のために、カロリーを気にする人も多いのでは。
では、
そもそも「カロリー」とはなんでしょうか?
カロリーとは?
「カロリー(cal)」とは、
エネルギーの単位の一つです。語源はラテン語の「calor(熱)」。 1mlの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーが1calです。
しかしcalは日常生活に用いるには小さすぎるため、通常はキロ(k)をつけて「キロカロリー(kcal)」と表記しています。
機械を動かすのに電気エネルギーが必要なように、人間も生きていくためにエネルギーが不可欠。人間は食品からエネルギーを摂取しています。
食品のなかでエネルギーの元となるのは、“三大栄養素(エネルギー産生栄養素)”と呼ばれる [たんぱく質・脂質・炭水化物] です。
それぞれ1gあたり
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たんぱく質 … 約4kcal
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脂質 … 約9kcal
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炭水化物 … 約4kcal
のエネルギーが含まれています。
また、食事から十分なカロリーが摂取できない場合には、肝臓や筋肉に蓄積されたグリコーゲンや、体脂肪、たんぱく質などが分解され、体内でエネルギーが作り出されます。
1日に必要なカロリーは?
1日に必要なカロリー(エネルギー量)は、年齢や性別、日ごろの活動度合いなどによって異なります。
例えば、30〜49歳女性で、通勤や買物、家事、軽いスポーツ等をする人の場合、1日のエネルギー必要量は2,062kcalとなります(平均体重54.3kgで算出)。
【例】 21.7(kcal) × 54.3(kg) × 1.75 = 2,062(kcal)
【計算式】
1日のエネルギー必要量 = 1日の基礎代謝量 × 身体活動レベル指数
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まずは「基礎代謝量」を計算してみましょう。基礎代謝量とは、人間が生きていく上で最低限必要なカロリーです。下記の数字に体重をかけたものが自分の基礎代謝量となります。(個人の筋肉量などによって異なりますので、あくまで目安です。)
【体重1kgあたりの基礎代謝量の目安】
- 18〜29歳 男性 … 24.0kcal 女性 … 22.1kcal
- 30〜49歳 男性 … 22.3kcal 女性 … 21.7kcal
- 50〜69歳 男性 … 21.5kcal 女性 … 20.7kcal
- 70歳以上 男性 … 21.5kcal 女性 … 20.7kcal
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次に、いま計算した基礎代謝量に、下記の「身体活動レベル指数」をかけたものが、1日のエネルギー必要量となります。
【身体活動レベル指数】
- レベルT [ほとんど運動せずに座っていることが多い人] … 1.5(1.45*)
- レベルU [通勤、通学時に立つことが多い、家事、軽いスポーツをする人] … 1.75(1.70*)
- レベルV [立って仕事をする、スポーツなどの運動を習慣としている人] … 2.0(1.95*)
*70歳以上は(カッコ)内の数字を使用
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※妊娠期、授乳期はそれぞれ
必要量を別途プラスする必要があります。
摂取と消費のバランスが大切
100kcalのエネルギーを持つものを食べても、100kcalのエネルギーを消費すれば、からだの中には残りません。
しかし食べたエネルギーを全て消費しきれずエネルギーが余って残った場合、そのエネルギーは脂肪に変えられて身体に貯蔵されます。
摂取と消費のバランスを考えることが、健康的な生活習慣に繋がるといえるでしょう。
体脂肪を1kg減らすには?
体内に貯蔵されている脂肪1kg(1,000g)を消費するには、
1日あたり約240kcal摂取を抑える、もしくは多く消費すれば、1カ月で1kgの脂肪を減らすことができます。
脂肪1gは約9kcalなので、1kgの脂肪を消費するには約9000kcalのカロリー消費が必要…というわけではありません。人間の脂肪は「脂肪細胞」として蓄えられていて、脂肪細胞の約8割は脂質(あぶらの塊)、残り2割ほどは水分や細胞を形成するさまざまな物質で構成されています。
そのため、脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は
約9kcal×1000g×80%=約7200kcal
これを1ヵ月(30日)でわると、1日あたりの消費カロリーが算出できます。
約7,200kcal÷30日=約240kcal
1kg減という数字だけみると少なく感じますが、脂肪は密度が低く、重さのわりに体積が大きいため、重さの感覚以上に見た目は大きく変化します。
脂肪1kgあたりの体積は約1.1L、これは500mlペットボトル2本分より少し大きいくらいと思っていただくと想像しやすいと思います。
カロリーは質も大事
カロリーは「量」だけでなく
「どの食品、栄養素からとるか」もポイント。
洋食と和食の三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)を比べると、和食は全体的にバランスが良いのに対し、洋食はカロリーが高く、特に脂質の割合が多いことがわかります。
さらに、食べたものをエネルギーに変えるためには、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素が必須です。これらを洋食と和食で比べてみると…
カロリーの低い和食の方が、ビタミン・ミネラルの多くをとれることが分かります。
同じカロリーでも、何を食べるかという「質」が大切です。健康的な体質を目指すなら、和食を中心に、いろいろな食品からバランスよく栄養をとるよう心がけましょう。
【参考】
国民健康栄養調査 令和元年(厚生労働省)
日本人の食事摂取基準2020年版(厚生労働省)
日本食品標準成分表2020年版[八訂](文部科学省)
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