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骨、弱っていませんか?
2021年01月15日

骨、弱っていませんか?

昨年から、新型コロナウイルス感染予防のため、外出自粛期間が続き、働き方などの生活スタイルが変わった人も多いのではないでしょうか。

いま心配されるのが、そのような変化から生じた「運動不足」「食事の偏り」により、骨の健康が損なわれることです。

コロナの感染を予防しながらも、骨の健康を守るためにできる行動、習慣について考えてみましょう。



緊急事態宣言中、“通勤ラッシュ”が減少



2020年2月下旬からテレワーク、時差出勤の呼びかけが始まりました。4月には緊急事態宣言が発出され、通勤ラッシュ時の首都圏および関西圏のおもなターミナル駅の利用がコロナ禍によって大きく減少しました。



出典:国土交通省



骨に影響する新しい生活様式の変化


運動不足
骨にかかる負担が減っている可能性があります。

自炊の負担軽減のために加工食品が増えた
加工食品に多く含まれるリンの過剰摂取により、カルシウムの吸収に悪い影響を及ぼす可能性があります。

おこもり生活による日光不足
紫外線を浴びることで生成されるビタミンDが不足すると、カルシウム吸収が悪くなります。

自粛生活で酒量が増えた
アルコールを飲みすぎると、利尿作用から体内のカルシウムを排出してしまいます。

ストレスによる喫煙
胃腸の働き低下によりカルシウム吸収が妨げられます。



新しい生活様式下で実践したい“骨”対策




適切な体重維持とバランスのよい食事を
低体重、小柄であることは、骨への負担が少なくなり、骨がもろくなりやすいため、骨粗しょう症のリスクとなります。そのため、適切な体重を維持することが骨にとって重要です。食事は、多様な食品からなる栄養バランスのよいものが理想的。主食・主菜・副菜がそろった、定食スタイルの和食がよいでしょう。






栄養素をまんべんなく
骨の健康のためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質やビタミンD、K、B群など多くの栄養素が関わります。

<骨の健康に関わる主な栄養素(成分)と働き>

●カルシウム
骨の主成分。骨は血液中のカルシウム濃度を維持する貯蔵庫の働きも。
(大豆、骨ごと食べる魚介類、青菜類、切り干し大根、ひじき、昆布、ごま など)

●ビタミンD
腸管からのカルシウム吸収を促進。カルシウムの骨への沈着をサポート。
(干し椎茸、きくらげなどののきのこ類、海藻類、魚介類 など)
さらに紫外線を浴びることで皮膚で合成され、腎臓で活性化されます。詳しくはこちら

●たんぱく質
骨量の維持に重要。骨の質を良くするコラーゲンを作る材料となる。
(卵、魚介、豆類、穀類、ナッツ など)

●ビタミンK
カルシウムを骨に沈着させるオステオカルシンの活性化に関与。
(納豆、青菜類 など)体内で腸内細菌からも作られます。

●ビタミンA
過不足なく摂取することで骨折のリスクをおさえる。β-クリプトキサンチンは骨密度を高める。
(にんじん、小松菜、春菊、柑橘類 など)

●ビタミンC
コラーゲンの生成に関与して、骨を丈夫にする。
(野菜類、果物類、いも類 など)

●ビタミンB群
ビタミンB6やB12、葉酸なども骨の健康に重要な働きをする。
(玄米、大豆、緑黄色野菜 など)

●マグネシウム
細胞内のカルシウムの量を調節する。
(玄米、大豆、大豆製品、ごま、アーモンド、わかめ、ひじき など)

●イソフラボン
カルシウムの骨への取り込みが良くなる。
(大豆、大豆製品)

●フラクトオリゴ糖
ビタミンKを作り出す腸内細菌の栄養となり、善玉菌を増やして腸内環境を整える。カルシウムの吸収を高める働きも。
(大豆、玉ねぎ、ごぼう、ねぎ、アスパラガス など)





骨に負担をかける運動を
日常生活では、自分の体重で骨に負担をかける身体活動がおすすめです。歩くことを中心にできるだけこまめに体を動かし、エスカレーターやエレベーターは極力使わず、階段の上り下りを心がけましょう。家事で体を動かすことも有効です。





骨は私たちの体を支えてくれてい大切な一部です。うっかりすると衰えやすいので、普段の食事や生活に気をつけて、日頃から大切にしていきたいですね。


【参考】栄養と料理(2020年10月)

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