8月も後半に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。
暑さで食欲が落ちてきても、
酸味のきいた料理なら食べやすいという方も多いはず。
酸味を効かせる調味料
【酢】は、人類最古の調味料といわれるほど歴史は古く、日本でも昔から親しまれてきた発酵調味料です。和食の基本調味料「さ・し・す(酢)・せ・そ」の一つでもあります。
今回は、そんなお酢の種類や特徴、上手な使い方などをご紹介します。
お酢はどうやって造られるの?
酢の原材料は、米や麦などの穀物や、りんごやぶどうなどの果実が一般的です。これらの主原料を元に「アルコール発酵 → 酢酸発酵 → 熟成」という工程を経て造られます。
お酢の種類と特徴
食酢は「醸造酢」と「合成酢」の2種類に分けられ、酢といえば一般的に醸造酢のことを指します。醸造酢は主原料によって
【穀物酢】と
【果実酢】に分けられます。
【穀物酢】
原材料として1種又は2種以上の穀類を、酢1リットルにつき40g以上使用したもの。米や麦、コーンなどを原料とし、酸味もクセも少なく、どんな料理にも合わせやすい。
●米酢
米の使用量が酢1リットルにつき40g以上のもの。原料に米だけを用いたものが「純米酢」、他の穀物を加えたものは「米酢」と表示される。米特有のまろやかさや甘みがあり、酢飯や酢の物など、和食との相性◎。
●米黒酢
玄米のぬか層を完全には取り除いていない米を酢1リットルにつき180g以上使用し、かつ発酵及び熟成により褐色から黒褐色に着色したもの。まろやかな酸味で甘みが強く、濃厚なコクが特徴。中華料理やドレッシング、果汁飲料(ジュース)を混ぜてドリンクにしても。
【果実酢】
原材料として1種又は2種以上の果実を、酢1リットルにつき果実の搾汁として300g以上使用したもの。
●りんご酢
りんご果汁をアルコール発酵させてつくった酢。ドレッシングやマリネ、フルーティなので飲むお酢としても。
●ぶどう酢
ワインビネガー:ぶどう果汁をアルコール発酵させてつくった酢。ワインと同様に赤と白がある。すっきりとした味わいで癖がないので幅広い料理に合う。バルサミコ酢:ぶどう果汁を原料に、木樽で長期発酵・熟成させて作った酢。深い味わいと独特の香りの良さが特徴。
ほかにもある色々なお酢
【加工酢】
食酢に醤油、砂糖、香辛料等を加えて味を調製したもので、「調味酢」「合わせ酢」とも呼ばれ、食酢とは区別されています。(すし酢、三杯酢、土佐酢、ポン酢など)
【もろみ酢】
泡盛の製造過程でできる「もろみ粕」が原料で、酢酸発酵で作られていないので食酢には含まれません。
【梅酢】
梅干しの製造過程で生まれる酢で、梅の栄養成分がたっぷり含まれています。こちらも食酢には含まれません。
食品添加物の入ったお酢も
市販のお酢には食品添加物が入っているものがあります。安価なものには理由がありますので、原材料を見て選ぶようにしましょう。
酢の代表的な添加物:醸造アルコール、合成着色料、人工甘味料(遺伝子組み換えコーン由来)など
お酢の機能性成分
酢には
酢酸をはじめ、
アミノ酸や
有機酸などが含まれます。
酸味は油っこさを緩和したり、過剰な塩味や甘みを抑制したりする嗜好性の改善や、だ液の分泌を促進する作用があります。暑くなる時期に酸味のきいた料理が好まれるのも、この食欲を増進する役割が大きいです。
また食材を酸性にするので、静菌や殺菌作用によって腐敗や食中毒の危険性を下げたり、ビタミンCの分解や変色を防止することにも役立ちます。
さらに
・血圧や血流の改善
・中性脂肪の代謝促進
・骨の健康維持
などの作用が期待されます。
暮らしのヒント〜お酢の使い方
1. お酢を加えて減塩
酢には塩味を引き立たせる働きがあるため、食酢を加えることで塩分を控えることができます。
2. ごはんが長持ち
ごはんを炊くときに酢(米2合に対し大さじ1程度)を入れると傷みにくくなり、夏場のお弁当などにも重宝します。
3. 野菜の調理に活用
れんこんや山芋などのアクとりに使用したり、野菜を茹でたり煮るときにキレイな色に仕上げることができます。
4. 焼き網のくっつき防止
焼き網に酢を塗っておくと、魚を焼いてもくっつきにくく、使用後の手入れも楽になります。
5. サッとスプレーで殺菌・除菌
まな板や包丁、キッチン周り、お弁当箱のふたなどにサッとスプレーすると、殺菌・除菌効果が期待できます。
毎日の食事や暮らしに、お酢をプラスしてみてはいかがでしょうか。