近年すっかり定着した
腸活という言葉。
腸の働きを良くすることはもちろん大事ですが、最近では腸内の善玉菌を元気に育てる
育菌が注目されています。
腸内にはおよそ1,000種類100〜1,000兆個以上、重さにすると1.5kgもの腸内細菌が棲み、私たちの体だけではできない数多くの役割を担っています。
今回は、腸を元気にするために欠かせない善玉菌を増やす「オリゴ糖」についてご紹介します。
腸の中で善玉菌のエサになるオリゴ糖
オリゴ糖は、ブドウ糖や果糖などの単糖が3〜10個結合してできたものです。
オリゴ糖は糖分ですが、カロリーは砂糖の約半分。
また、むし歯の原因菌のエサにもならないため、「むし歯になりにくい、低カロリー甘味料」として注目されています。
多くのオリゴ糖は、人間の胃や小腸で消化されず大腸まで届き、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとなります。
その結果、腸内の善玉菌が増殖します。
オリゴ糖が重要な理由
オリゴ糖などをエサにして増える善玉菌は、乳酸や酢酸などの酸をつくり、腸内を酸性にすることによって悪玉菌の増殖を抑えます。
また乳酸や酢酸が腸を刺激し、ぜん動運動が活発になり便通がよくなります。
酢酸は、腸の炎症抑制や、腸の細胞修復に必要な酪酸を作る材料にもなります。
つまりオリゴ糖を積極的にとることは、腸内環境を整えるうえでとても大きな意味を持っているのです。
オリゴ糖の仲間たち
オリゴ糖は、糖の結合の仕方によりいろいろな種類があります。
フラクトオリゴ糖
ごぼう、アスパラガス、にんにく、ねぎ、玉ねぎなどに多く含まれており、まろやかな甘さがある。大腸内のビフィズス菌を増やして腸内環境を整え、肥満予防などに役立つと言われている。
大豆オリゴ糖
大豆に含まれる少糖類の総称で、みそやしょうゆにも含まれている。少量で腸内環境をよくする働きがあり、免疫力を向上させる。
ガラクトオリゴ糖
母乳に多く含まれているオリゴ糖で、便秘や下痢を改善する。たんぱく質の消化吸収を助け、脂質代謝をよくし、ミネラルの吸収も促進する。
イソマルトオリゴ糖
はちみつや味噌、醤油、日本酒などに多く含まれている。熱や酸に対して強く、防腐作用がある。
□おまけ□
たくさんの種類のオリゴ糖が市販されていますが、成分表示などをよく見て、余計なものが含まれていないものを選びましょう。オリゴ糖よりもショ糖(砂糖)のほうが多く含まれていたり、人口甘味料や酸化防止剤、香料、保存料といったものが含まれていたりする場合があります。また、オリゴ糖は胃や小腸で消化されにくいため、大量にとるとお腹がゆるくなったりする場合がありますのでご注意ください。