脂っこい食事がやめられないという方はもちろん、脳機能が気になる方、子どもの脳の成長が気になる方には、特におすすめの内容です。
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動物性脂肪は麻薬よりも「依存性」が高い
ジャンクフード、ファストフードなどの動物性脂肪の多い食事を過剰に取っていると、肥満などの生活習慣病につながるだけでなく、“脳”にまでダメージを与えてしまうことが分かってきました。
ネズミを使った実験によると、動物性脂肪の多い食事をした1時間後には脳の中に炎症が起こりはじめます。その後なんと約1週間も、脳が慢性炎症の状態になるというのです
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*EMBO J 33:7-20, 2014
さらに、動物性脂肪は麻薬よりも「依存性」が高いことも分かってきました。ネズミをコカイン、たばこのニコチン、お酒のアルコールに依存した状態にしてから、それらの物質の摂取をやめて依存がどれくらい続くかを調べました。これらの依存は大体1週間ぐらいで和らいできます。
同様に、ネズミを動物性脂肪に依存した状態にした後、依存がどれくらい続くかを調べました。動物性脂肪の依存は、なんと2週間も続くことが分かったのです
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動物性脂肪は、麻薬よりも麻薬的な物質である可能性があります。
*Nature Neuroscience 13:529-531, 2010
|デンマークで廃止された“脂肪税”
かつてデンマークは、脂っこい食品に高い税金“脂肪税”をかけました。国民の健康のために導入したのですが、結果は失敗に終わりました。ヨーロッパは簡単に国境をまたげるので、デンマークの人たちは脂肪税のないドイツなどの隣国に買い物に行ってしまったそうです。
脂肪の多い食事は麻薬的だと言えることを示す一つの事例かもしれません。
脳が脂肪を欲している?!
そもそもなぜ人間は、こんなに脂肪が好きなのでしょうか?
一つの説をご紹介します。人間の進化の過程をたどってみましょう。
人間の祖先は森の中にいました。手を伸ばせば豊富な植物が食べられます。ところが森からサバンナに出ていく祖先が出てきました。彼らは、未知の食べ物である「動物性の肉や脂肪」を食べるようになります。
脳の大部分は脂肪なので、脳が脂肪を欲しているのかもしれません。脂肪を食べはじめたことで、人間の脳は飛躍的な進化を遂げることができました。適量なら有益だった脂肪ですが、現代人は過剰に取り過ぎてしまい、肥満や健康を害することになった、このような考え方があります。
高脂肪食への欲求を緩和させる「ある食品」
とはいえ「脂っこい食事がなかなかやめられない」という方も多いと思います。
脳の健康を気にされる方は、
肉を食べるなら脂肪分の少ない肉にする、肉よりも魚を選ぶ、揚げ物を減らすなどを意識してみてはいかがでしょうか?
また、琉球大学医学部 第二内科 益崎教授の研究により、
ある食品が高脂肪食の嗜好性を和らげる機能を持つことが明らかになりました。私たちの身近にある、日本の伝統的な食品ですから、取り入れてみてはいかがでしょうか?
詳しくは
こちらをご覧ください。