現代人の心身をジワジワとむしばむ
「隠れストレス」をご存じですか?
「隠れストレス」とは、食べすぎ、偏食、運動不足、睡眠不足、ネット漬け、ゲーム依存などの不健康な生活習慣が互いに影響し合って起こる、現代型のストレスのこと。「隠れストレス」は自覚しにくく、知らない間に
脳と体にダメージを与えることに…。
今回は食事を中心に、現代人が陥りやすい傾向と改善するためのポイントを解説します。
「隠れストレス」に陥りやすい現代人の食事傾向
1. 食べているのに「栄養不足」
洋食や加工食品を食べる機会が増え、日本の伝統食である和食では自然にとれていた食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素の不足が指摘されています。
2. 止まらない、やめられない「食べすぎ」
食べたいものが簡単に手に入る世の中、だれもが過食になりやすい状況です。肥満が病気のリスクを高めることも指摘されています。
食生活の改善ポイント3つ
ポイント1 4つの嗜好品「CATS」に気をつける「CATS」とは、
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カフェイン(Caffeine)
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アルコール(Alcohol)
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タバコ(Tobacco)
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砂糖(Sugar)
の4つの嗜好品を表します。
嗜好品には気持ちをリフレッシュさせたり、ホッと落ち着かせる効果がありますが、とりすぎると逆効果。喫煙はそれ自体が健康に悪影響を及ぼしますし、カフェインやアルコールも睡眠の質を下げたり、砂糖は急激な血糖値上昇につながるなどの悪影響があります。
過剰摂取が習慣になると控えることがむずかしくなるので、くれぐれもご留意を。
ポイント2 食事の基本は「定食スタイル」
主食(ごはん)
主菜(魚や肉、卵などのおかず)
副菜(野菜や海藻などのおかず)
汁もの(具だくさん)
がセットになった定食スタイルが食事の基本形。これを守れば、食べ過ぎることなく、野菜などの不足しがちな食品もとることができます。
ポイント3 「まごわやさしいこ
欧米化が進み加工食品をとることが多い食生活においては、食物繊維やn-3系多価不飽和脂肪酸(DHAやEPA)、葉酸などのビタミンB群や鉄などのミネラルが不足しがちです。
そこで是非覚えていただきたい8項目が「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」です。
1日の献立や1回の食事に、これらの8項目の食品が入っているかどうかをチェックするだけで、手軽に栄養バランスを取ることが出来ます。
★「まごわやさしいこ」の8項目を詳しくみる
メリハリのある「生活リズム」が大切!
私たちの体はストレスにさらされると、コルチゾールなどのストレスに対抗するホルモンが分泌され、過剰になると脳の神経細胞が障害されてしまいます。しかし「食事」「運動」「睡眠」のバランスがとれた生活を送っていると、このホルモンの分泌が過剰にならないことがわかってきました。
「隠れストレス」の原因である食べすぎや夜型生活、運動不足などは、豊かな食環境や情報化・自動化社会など、現代人の便利な生活がもたらしたものです。
生活習慣を見直すには、まずは昼間しっかり活動して、夜はゆっくり休むこと。“太陽の時間”に合わせたメリハリのある生活リズムを心がけましょう。
【参考】栄養と料理(2019年5月号)
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