「麹(こうじ)」は、米や麦、豆などの穀物に“麹菌”を植えつけたもの。
麹菌は日本特有の微生物であり、カビの仲間です。
正式名称は「ニホンコウジカビ」
洋名は「Aspergillus Oryzae(アスペルギルス・オリゼー)」
酵素を作るのが得意で、体内で大量の酵素を生産し、体外へ分泌する能力が高いという特徴があります。
麹菌の作る酵素を利用して、酒や味噌、醤油など、日本に昔からある発酵食品が作られています。
“麹は白い”という誤解
日本人は白いモノほど品質がいいと考える傾向がありますが、酒などに使われている麹菌は「黄麹」。つまり黄色です。
色が白い麹はまだ未熟な麹で、酵素が十分に出きっていない場合が多いようです。
酵素を大量に出す良質の麹ほど、色は黄色みが強くなります。(※胞子が白い菌株もあります)
ちなみに、北海道玄米糀や玄米酵素に使われている麹菌も「黄麹」です。
麹菌の種類とは?
麹菌にはいくつも種類があるのをご存知でしょうか。代表的なものをご紹介します。
【黄麹菌】学名:アスペルギルス・オリゼー
日本の「国菌」とも呼ばれる、代表的な麹菌。
清酒や味噌、醤油、さらに家庭では甘酒や塩麹などにも使われる。
【黒麹菌】学名:アスペルギルス・アワモリ
麹菌がつくる胞子(種)の色が黒いことから名づけられた麹菌。
特徴はクエン酸を分泌すること。温暖な気候でも雑菌が生えにくいことから、泡盛(沖縄)や焼酎(九州)に使われる。
【白麹菌】学名:アスペルギルス・カワチ
黒麹菌の突然変異から誕生した麹菌。
クエン酸をつくるが、黒麹のようにクセの強さがないのが特徴。実際は褐色だが、黒麹より色白なことから「白麹」と呼ばれている。
こうじの作る「酵素」のチカラ
麹菌は発酵する過程で、糖質やタンパク質を分解する酵素をはじめ、多種多様な酵素を作ります。
「酵素」のチカラを、かんたんな動画で見てみよう!(約50秒)
食べたものを分解する!「酵素」のチカラを目で見る実験 Short ver.
日本を代表する“愛の微生物”
一般的なカビと違い、日本の麹菌は毒素を生成しません。
それどころか、乳酸菌の増殖スピードをアップさせる酵素を出したり(*)、私たちの健康に大切な成分を作ってくれたりなど、他の生物と共生するやさしい微生物です。
(*塩麹を使えば、より早く、簡単に、美味しい漬け物ができます)
「和をもって尊しとなす」そんな日本人を代表するような“愛の微生物”と言えるのではないでしょうか。
【参考】
書籍『麹のちから!』
山元正博(著)
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