発酵食品や穀類など、さまざまな食品に含まれるβグルカンは、その構造や特性について研究が進められています。
今回は、少し専門的になりますが、βグルカンとは何か、どのような研究が進められているのかをご紹介いたします。
そもそもグルカンって何?
グルカンとは、グルコース(ブドウ糖)の分子が結合して長く連なった多糖類の総称で、化学構造の違いによりさまざまな種類があります。
グルコース同士の結合様式には、α型(αグルカン)とβ型(βグルカン)の2種類があります。
αグルカンの代表的なものには、デンプンやグリコーゲンがあります。
これらは体内の消化酵素によってグルコースやマルトースなどに分解されます。
βグルカンは食物繊維の一種で、代表的なものにセルロースがあり、体内では消化・吸収されずに腸まで到達します。
自然界では、β1,3グルカン、β1,4グルカン、β1,6グルカンの3種類の結合がよく見られます。
βグルカンを含む食品
βグルカンは、私たちの身近な食品にも含まれています。
● βグルカンを含む主な食品
・キノコ
・黒酵母
・パン酵母
・大麦
日本では昔から、みそ・醤油・お酒などの発酵食品が親しまれ、その製造に関わるコウジカビやキノコ、酵母などの真菌類が重要視されてきました。
これら真菌類の細胞壁は、主にβグルカンなどの機能性多糖で構成されています。
また、穀類に含まれるβグルカンに関する研究も進められており、その特性が注目されています。
βグルカン研究の歴史
日本では、βグルカンというとキノコ由来のものがよく知られていますが、欧米ではもともとパン酵母由来のものが研究されていました。その研究の歴史は1900年代のドイツにさかのぼります。
以後、βグルカンの構造や特性について、多くの研究が行われてきました。
生活習慣病の改善に役立つ可能性があることが欧米で報告されているほか、最近では
免疫との関係も解明されつつあります。
また、食品として摂取した際の、
腸内環境との関わりについても研究が行われています。
今後も健康維持のための成分として、さらに研究が進められていくでしょう。
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これを機にβグルカンに興味を持っていただけたら嬉しいです。
今後の新たな研究成果にも注目ですね!
【参考文献】
グルカンとは(βグルカン協議会)
β−グルカンについて (日本食品分析センター)
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