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毎日使う化粧品。その成分について、どのくらい意識したことがありますか？

肌につけるものだからこそ、どんな成分が使われているのか、安全性についても知っておきたいですよね。

そこで今回は、化粧品の成分、中でも石油由来の成分について取り上げてみました。

化粧品の基本的な構成成分

化粧品の多くは、70〜90％をベース成分である「水（水性成分）、油（油性成分）、界面活性剤」の3つが占めています。

これらのベース成分に、機能性成分や品質保持剤（防腐剤、pH調整剤など）などの成分を加えると化粧品が完成します。

成分には、植物由来、動物由来、石油由来など、さまざまな種類があり、どれをどんな比率でどう混ぜるかによって化粧品の効果や使用感が決まります。

中でも特に多いのが「石油由来成分」。その名の通り、石油を原料として作られた成分です。

石油由来成分は、化粧品の使用感の向上、品質の安定、防腐などを目的に広く使われています。

メリットも多く、安全性が確認されたものが使用されていますが、一方で肌質によっては合わないことや、環境への影響が指摘されることもあります。

石油由来成分の分類と主な用途

石油由来成分にはさまざまな種類があり、ほとんどの化粧品に配合されています。

安全性に関する情報は成分を一つひとつ調べないとわからないため、必ずしも「石油由来＝不安、天然由来＝安心」と言い切ることはできませんが、自分にとって安心・安全かを考えて選ぶことが大切です。


【化粧品に使われる主な石油由来成分】

分類・配合目的	主な用途	主な石油由来成分　例：表示名称
鉱物油	石油を精製した人工油のことで、クレンジング成分やクリームなどのベースエモリエント成分として使われています。	例：ミネラルオイル、ワセリン、パラフィンなど
界面活性剤	水と油を混ぜ合わせる乳化成分や、汚れを落とす洗浄成分として使われています。	例：ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸TEA、ラウラミンオキシド、ラウラミノプロピオン酸Na、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリソルベート00、セテス-00、ステアリン酸PEG-00など
合成色素 (着色)	科学的に合成された色素で、着色の目的で食品・化粧品などに添加されるために作られたものです。タール色素とも呼ばれています。	例：〇色00号、赤202、青1など
合成香料 (着香)	石油を主原料にしてつくられる合成のフレグランス成分で、賦香成分として使われています。	香料
防腐剤	化粧品が腐らないように菌の発生を抑えたり、劣化を防いだりするために使われています。	例：パラベン（メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン）、フェノキシエタノールなど
保湿剤	肌に水分を与えたり、みずみずしさを保ったり、しっとり感を与えるベースや保湿成分として使われます。	例：DPG（ジプロピレングリコール）、BG※、ペンチレングリコール※、PEG（ポリエチレングリコール）、PG（プロピレングリコール）、1,2-ヘキサンジオール、乳酸Naなど ※BG・ペンチレングリコールには、石油由来のものと、植物由来のものがあります。
原料・成分の溶剤	植物などの原材料から原料となるエキスを抽出する際の溶剤（溶媒）として使われます。	例：エタノール※、BG※など ※エタノールやBGには、石油由来のものと、植物由来のものがあります。
増粘剤	化粧品の粘度を高めて使用感を調整したり、安定性を高めたりするために使われます。	例：カルボマー、ポリビニルアルコール、（アクリレーツ/アクリル酸アルキル（C10-30））クロスポリマー、ポリアクリルアミドなど
紫外線吸収剤	日やけ止めなどに配合されて、紫外線を吸収することで、紫外線から肌を守る成分です。	例：メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレンなど
シリコーン (ベース)	化粧品ののびをよくしたり、ベタつきを抑えたり、肌や髪のすべりをよくする成分です。スキンケア・メイク・ヘアケアに幅広く使われるシリコーンです。	例：シクロメチコン、ジメチコン、シクロヘキサシロキサン、フェニルトリメチコンなど
pH調整剤	化粧品のpHを調整するための成分です。アルカリ剤や酸性剤があります。	例：TEA（トリエタノールアミン）、DEA（ジエタノールアミン）、イソプロパノールアミン

成分をチェックする習慣をつけよう

化粧品に配合されている成分は、以下のルールで外箱あるいは容器に表示することが義務づけられています。

• すべての成分を記載
• 配合量の多い順に記載
• 1％以下の成分の記載順序は自由
• キャリーオーバー成分(*1)は表示義務がない
• 香料は、複数の成分をまとめて「香料」(*2)として記載可能
• 着色剤は、すべての成分の表示の後に順不同で記載可能
• いわゆるシリーズ品に限り、着色剤は「＋／−」の記号を記載した後にシリーズ品に配合されるすべての着色剤を表示可能

外箱に記載すれば容器そのものには書かなくてもよいことになっていますので、気になる成分が含まれていないか確認できるよう、成分表示の記載された外箱を保管しておくと安心です。

化粧品にかぶれやすい人は、顔に使う前にセルフパッチテストをしてみるのも方法です。

サンプルを腕の内側に少量（500円玉大）塗って、1日程度おき、赤みがでないかをチェックしましょう。


*1 原料に含まれる成分のうち、製品に持ち越されて微量が残存するが、製品中ではその効果を発揮しない成分。
*2 複数の成分をまとめて「香料」と記載した場合、他の成分と同様に配合量順の中に組み入れて記載する。


＊＊＊


成分を知ることで、より自分に合った化粧品を選ぶことができます。

毎日のスキンケアを、もっと安心で心地よいものにしていきましょう！





【参考文献】
『効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典』久光一誠 監修（池田書店）
化粧品成分オンライン（化粧品成分ジャーナル）





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