干すだけで野菜の栄養価がアップし、うまみも凝縮される「干し野菜」。
干ししいたけ、切り干し大根などの乾物はもちろん、他の野菜でも手軽に作れるんです。
普段はスーパーなどで購入されることが多いと思いますが、
空気が乾燥する秋から冬は、手作りにチャレンジするのにぴったりの季節です。
野菜を干すことのメリット
野菜を干すことで、まるで別の食材のように味わい深くなる「干し野菜」。
保存性だけでなく、風味やうまみが凝縮され、生の野菜とはひと味違うおいしさも加わります。
●天日干しのメリット
・保存性が高まる
・栄養がさらにアップ
・調理時間が短縮できる
・素材の旨みが引き出される
・味がしみこみやすくなる
[具体例]
大根:カルシウムや鉄、食物繊維、ビタミンなどが増加!
しいたけ:天日に干すことでビタミンDが合成され、栄養価がさらにアップ!
干し野菜をつくってみよう
●準備
野菜を干すための平たいザルや、干し網などを用意します。
野菜はよく洗い、水けをしっかりふき取ります。
大根、にんじん、ごぼうなど、普段は皮をむくことが多い野菜も、
干す場合は皮つきのままで大丈夫です。
●切る
好みの野菜を皮ごと使いましょう。
切り方に決まりはなく、好みのサイズに切り分けて構いません。
例えば、
煮物なら輪切りや半月切り、和え物なら細切り、炊き込みご飯や肉団子に入れるなら角切りなど、どんな料理に使うか考えながら切ると便利です。
薄く小さいもの、切り口の断面が広いものほど、水分が抜けやすくなります。
きのこ類は、食べやすい大きさに割いたり、ほぐしたりしましょう。
●干す
切った野菜を重ならないようにザルなどに並べ、日当たりと風通しの良い場所で干します。
時間は、
日が高い10時〜15時頃がおすすめ。
ほこりや虫が気になる場合は、食卓用の虫よけカバーなどをかぶせておくとよいでしょう。
ときどき様子を見て、野菜の表面が乾いたら、裏返して反対側を日に当てます。
日中は天日で、夜間は室内に取り込みましょう。
夜間に取り込むのを忘れないよう、タイマーを設定するのもおすすめです!
室内で作る場合は、日当たりがよい窓辺に置き、網戸を開けておきましょう。
●できあがり
干し時間は、季節や天気、干す環境、野菜の種類などによって異なりますが、
全体が乾いてしんなりしたり、表面に軽くしわが寄ってきたりすれば、ほぼ水分が抜けています。
手づくりの干し野菜の場合、水分が完全に抜けているわけではないので、干し終えたものは冷蔵庫へ。
長期保存は避け、4〜5日を目安に食べきりましょう。
エコにもなる干し野菜
食べきれない野菜を無駄にしない「エコな活用法」としても、干し野菜はおすすめです。
材料は冷蔵庫にあるものでOK!
初めてなら、大根やにんじんなど、手に入りやすい野菜から始めてみましょう。
水分を加えるレシピなら、水戻しせずそのまま使えて便利。
煮物、和え物、炒め物、スープ、炊き込みご飯など、様々な料理に活躍してくれますよ。
●干し野菜におすすめの食材例
大根
にんじん
れんこん
かぼちゃ
ごぼう
なす
ピーマン
トマト
しょうが
きのこ類(しいたけ、まいたけ、しめじ、えのき)
***
手作り干し野菜で、季節の変化を感じながら、体にも優しい食生活を取り入れてみましょう。
【参考文献】
『からだにおいしい 野菜の便利帳』(高橋書店)
安保徹『今すぐできる! 免疫力を上げる31のルール』(学研プラス)
『栄養と料理 2024年2月号』(女子栄養大学出版部)
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