特集記事

皆様、冬ならではの楽しみはありますか?
　
ウインタースポーツや冬の景色を楽しむのもいいですが、暖かいお部屋でぬくぬくと過ごす時間もいいものですよね。

そうした寒い季節の家の中で、部屋は暖かいけれど廊下やトイレなどに行くとヒヤッと寒く、しかし、短時間だからと我慢されている方も多いのではないでしょうか。

実は、このちょっとした温度差には危険が潜んでいるのです…。

寒い季節は部屋との寒暖差に気をつけよう

暖かい部屋から急に寒い場所へ移動した際、「ヒートショック」と呼ばれる状態を招くことがあります。

ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が上下し、心臓や血管などにダメージを受けることです。

例えば、真冬は、暖房をつけている部屋と、暖房をつけていない廊下や浴室、トイレの温度差が10度以上になることが少なくありません。

部屋を行き来する度に、体は急激な気温の変化にさらされることになり、熱を奪われないよう頻繁に体温調節を行うことになります。

健康な方であれば、この急激な温度変化による血圧の急変動にも耐えられますが、65歳以上の人や高血圧など血管に持病がある人は危険性が高くなります。

ヒートショックはどうして起こる?

ヒートショックはどのようにして起こるのでしょうか。入浴時を例にとって解説いたします。


●暖かい場所から寒い廊下・脱衣所に行くと、体は筋肉をふるわせて熱を作り、同時に血管を収縮して血流を減らし、体の熱を逃がさないように調節します。この血管の収縮により血流が抑えられ、血圧が一気に上昇します。
　▽
●浴室内も暖まっていない場合、さらに血圧が上昇します。
　▽
●血圧が上昇した状態から温かい湯船につかることで一気に血管が拡張し、血圧が急降下します。
　▽
●浴室を出て寒い脱衣所に移動すると、再び血圧が急上昇することになります。




血圧が急降下することで、めまいが起きたり、ふらついたり、意識を失ったりすることもあるため、転倒にも注意が必要です。

ヒートショックを予防しよう！

ヒートショックは冬場に起きやすいため、トイレ、洗面室、浴室などの温度に気を配る必要があります。

家の中では以下のような予防策がおすすめです。

・部屋間の温度差を小さくしましょう
・浴室や脱衣所に暖房器具を入れましょう
・入浴前後には水分をとりましょう
・入浴前後の飲酒や食事は避けましょう
・長湯は避けましょう
・廊下やトイレに行く際は防寒着を羽織りましょう


＊＊＊


冬は、外出時だけではなく、家の中でも寒さ対策が大切ですね。

多少だからと油断しないことがポイントです。元気に寒い冬を乗り切りましょう！




【出典】
『温活検定公式テキスト　冷え知らず先生が教える温活百科』
一般社団法人 日本温活協会 監修






【関連記事】

夏でも高血圧対策を！血圧上昇のしくみを知ろう


寒暖差アレルギーってどんな症状？