「体温が上がると、代謝や免疫力も上がる」という説があるのをご存じでしょうか。
そのくらい、体を温めるのは大切なことなのです。
今回は、体温と体の機能の関係について調べてみました。
栄養を考えた食事も血流が悪いと意味がない?
冷えは美と健康の大敵と言われますが、その理由は体が冷えていると血流が悪くなってしまうからです。
血のめぐりがよくないと、体のすみずみまで体内の熱や酸素、十分な栄養が届きにくくなってしまいます。
せっかく栄養を考え、体に気をつかった食事をしても、血流がよくないせいで栄養を十分に取り込めないのはもったいないことです。
しかも、エネルギーが不足して体内で十分に熱が作れなくなるため、さらなる冷えにつながる悪循環を生んでしまいます。
さらに、胃腸の働きが鈍くなるため、食べたものをきちんと消化できないだけでなく、便秘になりやすくなってしまいます。
胃腸の冷えは体を危険にさらす?!
胃腸の冷えは食べたものの消化以外にも、外から入ってきた有害な物質を無毒化または排除するための機能にも影響します。
普段あまり意識しませんが、「食べる」という行為は、異物を体内に入れる行為なので、実は大きな危険を伴います。
例えば、細菌などを死滅させる胃酸の分泌、栄養を吸収しつつ病原微生物やアレルゲンと戦う小腸の働きなども、血流が悪くなることで低下してしまいかねません。
体を温め、腸内環境を整えることは、全身の健康のためにもとても重要なのです。
ストレスと体温の関係
ストレスも体温の低下につながります。
ストレスが加わることで脈拍が早くなり血圧が上昇します。
自律神経が乱れて神経が温度センサーの役割をしなくなり、体温の調節機能が働かなくなるのです。
交感神経は、体の活動時や昼間に活発になります。
交感神経が優位になると、心臓に働きかけて脈拍数を増やしたり、血管を収縮させて血圧を上昇させたり、発汗を促進したりします。
副交感神経は、安静時や夜などリラックス状態のときに優位になります。
副交感神経が優位になると脈が遅くなり、血管が拡張し、血圧も下がります。
交感神経と副交感神経がバランスよく正常に働くことで健康を保っていますが、ストレスが加わって交感神経が優位な状態が続くと、末梢の血管が収縮した状態が続くことになり、手足の末端が冷える原因になるのです。
体内の酵素は38℃〜40℃が好き
酵素には体の中で起こるさまざまな化学反応をスムーズにする役割があります。
人や微生物、植物といったあらゆる生物が、摂取した食べ物を消化・吸収・代謝するためのほとんどの化学反応に酵素が必要です。
酵素には、働きやすい最適な温度「至適温度」があり、通常、日常的に働く酵素の至適温度は38〜40℃です。
そのため、体温が低いと酵素の活性も低くなってしまいます。
生きるうえで大切な酵素を元気にするためにも、体温を上げることが重要なのです。
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【出典】
『温活検定公式テキスト 冷え知らず先生が教える温活百科』
一般社団法人 日本温活協会 監修
『健康美人をつくる50の食習慣 FOOD LIST』
『「いつまでもキレイ」と言われる人がやっている 美人をつくる食事 食べて、痩せる! 健康になる!』
管理栄養士 加藤初美(著)
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