みなさんは、1週間にどのくらいお米を召し上がりますか?
朝はパン、ランチはラーメン、夜はパスタ…なんていう日もあるかも知れません。
日本各地ではちょうど稲刈りのシーズン。新米が美味しい季節です♪
また、稲の実りに感謝する神事やお祭りも行われています。
お米は日本の食だけでなく、文化にも深く関わっています。
今回は、お米の素晴らしさを再発見してみましょう!
日本の米文化
私たち日本人の食生活に欠かすことのできない米。
日本では、縄文時代後・晩期には水田稲作が行われていた可能性が高いことが、近年の研究で分かっています。
水田稲作が本格的に始まると、日本各地へと急速に広がっていきます。
田植えの時期には雨に恵まれ、稲が生育する夏は日射量が多く気温が上がり、稲穂が実る時期の空気は朝夕冷涼でやや乾燥している。
そんな日本の気候風土が、稲の栽培に適していたのです。
稲作の普及に伴って、人々の生活は狩猟・採集を中心としたものから農耕中心のものへと変化。
以来、単に主食としてだけではなく、祭祀や経済活動とも深く結びつきながら、米は今日まで日本人にとって特別な存在であり続けているのです。
日本の食は「米」が主役
「ごはん」という言葉が食事全体を意味するように、日本の食はまさに米が主役です。
しかし現在、日本人の食卓から米中心の伝統的な日本食のスタイルは失われつつあると言われます。
米の1人当たりの年間消費量は、1962年度をピークに一貫して減少傾向にあります。1962年度には118sの米を消費していたのが、2020年度には、その半分以下の50sまで減少しています。
"米国"という言葉が日本ではなくアメリカを指すというのは、音を当てたにしても、考えてみれば奇妙なことですよね。
米の食料自給率はほぼ100%
日本の米の食料自給率は98%。ちなみに小麦は15%。
ここ数年は輸入小麦の価格上昇に伴い、小麦を使った食品も値上げされ、家計を圧迫している状況が続いているのは皆さんご存じの通り。
主食をパンやめん類から米に変えるだけで、食料自給率アップに貢献できるだけでなく、環境にもお財布にも優しい選択ができるのです。
【参考】カロリーベースの⾷料⾃給率(令和2年度) 農林水産省
米にまつわる豆知識
●漢字の「米」の成り立ち
「米」という漢字を分解すると「八十八」になります。田植えしてから収穫するまで88の作業をしなければならないから、と言われています。私たちの食卓には農家さんの88の努力の結晶が、毎日ホカホカ美味しい湯気を立てながら顔を出しているのです。隠された努力に感謝して、一粒一粒を噛み締めてご飯を食べたくなりますね。
●米から生まれたことわざ
『米一粒、汗一粒』
お米を実らせるためには、とてつもない労力が必要。なので、一粒でも無駄にしてはいけないという意味。
『米の飯より思し召し』
ご飯をご馳走してもらうことも嬉しいが、ご馳走したいと思ってくれる気持ちはもっとありがたい。人の思いやりに感謝する気持ちが大事ですね。
●神様にお供えする米
神棚にお供えするものには、米やその加工品である酒、餅などがあります。お正月には神様を迎えるために、家中にしめ飾りやしめ縄を飾りますよね。
大切な儀式である誕生祝い、結婚式、葬式などの折には、白いごはんを高く盛って神仏などに供えたり、米を塩とともに供えたりする習慣も残っています。
また、日本のお祝い事(ハレの日)には餅は欠かせません(鏡餅、お雑煮、桜餅、ひし餅、柏餅、ぼた餅、一升餅など)。それだけ日本人が昔から米に感謝し大切にしてきたのかがわかります。
●国のチカラを計る米
江戸時代には“加賀百万石”などという言葉がありました。「石」とは大人が一年間に食べる米の量で、それを単位として国力を計っていました。
「米の国」ニッポンの根源を、もう一度しっかり振り返ってみましょう。
【関連記事】
日本の米文化を見直しましょう
私たち日本人の「適応食」とは?