春雨、しらたき、糸こんにゃく、くずきり、ところてん・・・
どれも透明感があり、麺のような細長い形状で似ていますが、どう違うのか聞かれたらあなたは正確に答えられますか?
見た目は似ていても、その原材料や用途はそれぞれ異なります。
今回は、これらの違いを解説します。
春雨(はるさめ)
春雨の原材料は、
緑豆のデンプン。
また緑豆のほかにも、じゃがいもやさつまいものデンプンを原材料に使っている春雨もあります。
春雨は乾燥加工されているので、基本的には水やお湯で戻してから調理します。
さまざまな料理法に合う食材なので、炒めものやスープに入れる、また春雨サラダのように冷たい状態で食べても美味しくいただけます。
また、ダイエット目的で麺の代わりに使われることがあります。
しらたき
しらたきの原材料は、
こんにゃく芋。
こんにゃく芋をすりつぶしたもの、またはこんにゃく芋を乾燥させて粉状にしたものを水に溶かし、水酸化カルシウムを加えて、熱湯の中に細長く出したものを固めて作られます。
しらたきはそのまま調理して食べることもできますが、アク抜きをおこなうことでより美味しく食べることができます。
基本的にはどのような料理にも合う食材なので、甘辛く煮付けたり、きんぴらのように炒り煮にしても美味しいです。
こちらもダイエット目的で麺の代わりに使われることもあります。
糸こんにゃく
糸こんにゃくの原材料は、しらたきと同じ
こんにゃく芋。
しらたきと糸こんにゃくは、実は呼び名が違うだけで、基本的には同じものです。
昔は生のこんにゃく芋を使用してこんにゃくが作られていたため、芋の皮などの影響でもともと黒っぽい色をしていましたが、現在は粉末状にしたものを使われることが多いため、基本的には白いこんにゃくが出来上がるそう。
白いものをしらたき、黒いものを糸こんにゃく、というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、黒い糸こんにゃくはこんにゃくらしく見せるために、海藻粉末を混ぜているものが多いです。
また、見た目以外にも関東ではしらたき、関西では糸こんにゃくと呼ばれることが多いようです。
くずきり
くずきりの原材料は、マメ科の植物である
葛(くず)。
葛の根のデンプンから作られた葛粉を水で溶き、それを煮立たせて板状に固め、細く切って作られます。
冷やしたくずきりに、黒蜜などをかけてデザートとして食べるのが定番ですよね。
鍋やサラダに使われることもあります。
ところてん
ところてんの原材料は、天草と呼ばれる
海藻です。
天草を水で煮た汁を冷やし固め、「つき」と呼ばれる押し出し型に入れて突くと、細長い形状のところてんがにゅるっと出てきます。
くずきりと同じように黒蜜をかけて食べたり、酢醤油でさっぱりと食べたり、地方によってはだし汁やめんつゆ、生姜醤油、味噌などをかけるところも。
それぞれの栄養比較
それぞれ可食部100gあたりの数値は以下の通りです。
《春雨(緑豆はるさめ・ゆで)》
カロリー:78kcal
糖質:19.8g
食物繊維:1.5g
《しらたき・糸こんにゃく》
カロリー:7kcal
糖質:0.1g
食物繊維:2.9g
《くずきり(ゆで)》
カロリー:133kcal
糖質:32.5g
食物繊維:0.8g
《ところてん》
カロリー:2kcal
糖質:0.1g
食物繊維:0.6g
例えば、中華麺1食あたり(120g)と同じ重量で比べると、
《中華麺(生)》
カロリー:299kcal
糖質:62.6g
《しらたき》
カロリー:8kcal
糖質:0.1g
《春雨(ゆで)》
カロリー:94kcal
糖質:23.8g
となります。
カロリーや糖質が気になる方は、置き換えやかさ増し食材として使うのも良いですね。
【参考】
日本食品標準成分表2020年版(八訂)[文部科学省]
いかがでしたでしょうか。
しらたき、春雨、糸こんにゃく、くずきり、ところてん・・・
見た目は似ていても、原材料が異なるので、食感や用途、栄養成分もそれぞれ違います。
それぞれの特性を知って、上手に活用してみてください。