突然ですが、昨日・今日で食べたものを振り返ってみてください。
味噌、醤油、酢、みりん、酒、納豆、かつお節、パン、チーズ、ヨーグルト・・・など、何かしらの発酵食品を口にしているのではないでしょうか。
世界中には多種多様な発酵食品が存在し、私たちの日々の食生活を支えてくれています。
今回は、そんな発酵食品のメリットや、数多くあるエビデンスの中から一部をご紹介します。
各国の食文化に欠かせない「発酵食品」
微生物(菌)が人間に役立つ働きをしてくれることを「発酵」といい、食材を発酵させたものを「発酵食品」といいます。
発酵食品の多くは、もともと保存食として誕生したものですが、長い歴史の中で各地の食材や気候風土を反映しながら改良を重ねられた結果、現在ではその地域の食文化に欠かせないものとして根付いています。
そんな発酵食品を生み出す微生物は、気候やその土地の生態系で大きく異なります。
高温多湿の日本や東南アジアではカビによる発酵文化が発達。
その中でも日本は、「麹菌(こうじきん)」が中心の発酵食品が豊富です。
麹菌を使った発酵食品(例)
味噌、醤油、日本酒、酢、みりん、塩麹、甘酒 など 詳しくはこちら |
発酵食品のメリット
1.栄養価や健康効果が大幅アップ
発酵によりビタミン類やアミノ酸などさまざまな栄養成分が増加し、さらに新しい成分が生まれ、消化吸収もよくなります。
また、発酵食品には数々の健康に良い効果があることが研究によって明らかになっています。
❶ 腸内環境の改善 ❷ 代謝アップ(ビタミンB群の増加) ❸ 血中悪玉コレステロールの減少 ❹ 抗酸化作用(アンチエイジング) ❺ ストレス減少(GABA[ギャバ]) ❻ 消化吸収アップ など
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2.おいしくなる
元の食材に含まれるたんぱく質やデンプンを分解して、アミノ酸や核酸、糖質などが作り出され、さらに香気成分が生まれることにより、独特の味と香りが加わります。
3.保存性が高まる
発酵食品の多くには、麹菌や乳酸菌などの微生物が大量に繁殖しているため、腐敗菌が繁殖しにくくなっています。
さらに発酵により生まれる乳酸や酢酸などには殺菌効果があり、保存性が高まります。
発酵食品のエビデンス
数ある発酵食品のエビデンスの中から、一部をご紹介します。
妊娠中に味噌汁を飲むと子どもの睡眠不足が減る
妊娠中に味噌汁を飲むことの多かった女性から生まれた子どもは、あまり飲まなかった女性の子どもに比べて、睡眠不足になりにくいことが分かりました。
概日リズム(体内時計)は、日光を浴びる時間帯や食事の影響を受けやすく、幼少期に概日リズムが乱れて睡眠不足に陥ると、体の発達、とくに肥満に影響することが知られています。
Sugimori,N.,Hamazaki,K.et.al.,:PLoS One.,14,e0222792(2019).
老化や生活習慣病を穏やかにする
納豆、醤油、味噌、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品に多く含まれる成分であるポリアミンは、炎症誘発因子LEA-1の発現を抑制し、慢性炎症が原因となる老化や生活習慣病を穏やかにする効果があると報告されています。
K.Soda,Y.Dobashi,Y.Kano,S.Tsujinaka&F.Konishi:Exp.Gerontol.,44,727(2009).
上記以外にも、近年さまざまな研究から、発酵食品の健康効果が証明されてきています。
健康・美容のためにも、発酵食品を日々の食生活に積極的に取り入れていきたいですね。