「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」
これは、江戸時代のことわざです。
味噌の優れた健康効果を、昔の人は経験的に知っていたのでしょう。
今回は、味噌の健康パワーについてご紹介します。
「味噌」ってどんなもの?
味噌は、蒸した大豆に麹菌と塩を加えて発酵、熟成させた調味料です。
味噌づくりは全国各地で行われ、土地ごとの気候風土や麹菌を付ける穀物の種類、原料の配分、熟成期間の違いで色や風味、味わいなどが異なる特徴ある味噌が生まれています。
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味噌の健康効果
○ 「サビない体」をつくる
味噌の褐色成分・メラノイジンは強い抗酸化力があり、老化の原因になる活性酸素を消去する作用があります。
また、大豆にはサポニンという物質が含まれており、味噌のサポニンは原料大豆よりも高い抗酸化力が認められています。
○ 美肌をキープ
発酵の過程で作られる遊離リノール酸は、メラニンの合成を抑え、シミやソバカスを防ぐ働きがあります。
大豆に含まれるポリフェノールの一種であるイソフラボンは、女性ホルモン様作用で美しさや若々しさを手助けしてくれます。
○ コレステロールを抑制
リノール酸、ペプチド、食物繊維、サポニン、レシチンなどの有効成分により、悪玉コレステロールを抑制する効果が期待できます。
○ 腸内環境を整える
食物繊維は腸内をキレイにしてくれるのに役立ちます。
味噌は発酵することでアミノ酸やビタミン類が増加し、大豆には本来含まれない酵母や乳酸菌なども摂取できます。
味噌汁を毎日の食卓に
さまざまな健康効果が期待される味噌ですが、その購入量は年々低下しているのが現状です。
食の欧米化によって、米の消費が減ったことも要因の一つと考えられます。
和食は
「ご飯に味噌汁」が定番の組み合わせですよね。実は、栄養学的に素晴らしい食べ合わせなのです。
米のたんぱく質に不足しているリジンを大豆が、逆に大豆のたんぱく質に不足しているメチオニンを米が補ってくれるため、アミノ酸バランスを良くします。
日本の伝統食は、とても理にかなった健康食といえますね。
皆さんは味噌汁を毎日飲んでいますか?
味噌汁を上手にとるコツ
塩分が高いからと、味噌汁を敬遠する人もいますが、他の食品と比べても決して高くはありません。
どうしても塩分が気になる方は、塩分(ナトリウム)を排泄する効果のあるカリウムが多く含まれる、野菜や海藻などをたっぷり入れた具だくさんな味噌汁がおすすめです。
また、味噌を入れるタイミングにもコツがあります。
味噌に含まれる酵素は熱に弱く、70℃以上で徐々に働きが失われてしまいます。味噌の香り成分も煮立てると失われてしまいますので、味噌汁の場合は、火を止めてから味噌を加えましょう。
味噌煮などの場合は、味噌の半量を最初に入れて材料を煮て、仕上げに残りの味噌を入れるようにしましょう。
「味噌汁」の作り方の基本
-味噌汁1人前の基本分量-
- だし汁・・・150ml
- 具・・・・・取り合わせて全部で40g
- 味噌・・・・10〜12g
- 吸い口・・・1品をほんの少し(お好みで)
※「吸い口」とは、季節の彩りと香りを添えて椀の味わいを高めるもの。日本料理の楽しさ、遊び心を教えてくれます。
(例)ごま、粉山椒、ふきのとう、ねぎ、しその葉、七味唐辛子、おろし生姜、木の芽、ゆずの皮、茗荷 など
こちらの分量を参考に、お好きな味噌や具を組み合わせてみてください。
味噌の健康パワーを毎日の食卓で取り入れましょう。