日本人の食文化に欠かせない食材
「大豆」。
豆腐や納豆、味噌、醤油など、加工法によってさまざまな食品に生まれ変わる、まさに
変幻自在の豆です。
そんな大豆ですが、枝豆と同じものだということをご存知でしょうか?
さらに、もやしや黒豆も関係があるのです。
今回は、大豆と枝豆の違いや、大豆加工品の種類、健康成分など、大豆に関するマメ知識をいろいろとご紹介します。
大豆と枝豆の違い、もやしや黒豆との関係性は?
実は
枝豆と
大豆は収穫時期が違うだけで、もともとは同じ植物の種子からできています。
未成熟の時期に収穫された緑色の若いものが
枝豆、成熟するまで待ち、茶色く乾いたものが
大豆となります。
枝豆は野菜に、
大豆は穀物に分類されます。
では、
もやしと
大豆の関係はどうでしょう。
もやしは、
完熟した大豆が発芽して芽が出た物を指します。もやしにもいくつか種類があり、市場に出回っているもやしのほとんどが、緑豆を発芽させた緑豆もやし。大豆を発芽させたものは「大豆もやし」として売られています。
また、
大豆は
黒豆とも関係があります。
おせち料理などに使われることも多い黒豆も、
実は大豆の一種です。黒豆は正式名称を「黒大豆」といい、種皮が黒色をしていることが特徴です。
まさに変幻自在!大豆の加工品一覧
大豆は加工法によって、さまざまな味、健康効果を持つ食品などに生まれ変わります。
詳しく図で見てみましょう。
▽クリックで拡大(別ウィンドウが開きます)
高品質な"国産大豆"は、ほとんどが食用に
大豆は中国から弥生時代に日本へ伝わり、自国の食文化に取り込み根づかせました。
その大豆を日本から母国のアメリカに持ち帰ったのが、19世紀、「黒船」で日本を訪れた東インド艦隊司令長官のマシュー・ペリーです。以来、アメリカでは搾油用や飼料用として需要が高まり、やがて一大生産国となりました。
現在、日本の大豆の自給率は7%ですが、食品用に限ると自給率は25%となります(平成29年度)。これは国産大豆の品質が評価され、ほぼ全量が食用として利用されているためです。消費者の安全・安心を求める声などにより、その割合は伸びる傾向にあります。
大豆は「天然のマルチサプリメント」
大豆は
"畑の肉"と呼ばれるほどたんぱく質が多く、またビタミンやミネラル、その他有効成分も豊富に含まれ、まさに
天然のマルチサプリメントです。
植物性食品ですので、コレステロールは一切含まずとってもヘルシー。
美肌、ダイエット、アンチエイジング、骨の健康維持など、カラダに嬉しいことがいっぱいです。
●大豆イソフラボン
女性ホルモン様作用で、更年期障害の緩和
骨粗鬆症の予防
血圧を下げる
●大豆レシチン
脳細胞を活性化し、記憶力・集中力を高める
コレステロール値の低下
●大豆サポニン
脂肪の吸収を抑制する
過酸化脂質の生成を防ぐので、血管をしなやかに保つ、老化防止にも
●大豆たんぱく質
体脂肪を燃やし、筋肉をつけてリバウンドしにくい体に
血中のコレステロールや中性脂肪を下げる
☆大豆たんぱく質は最新評価(PCDAAS)で最高点と評価されています!
体内で作ることのできない必須アミノ酸を含め、人間が必要とするアミノ酸20種類すべてを含む強力なたんぱく源です。
●大豆オリゴ糖
善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える
●ポリアミン
アンチエイジング効果が期待できる
●ビタミンE
抗酸化作用で美肌効果
●ビタミンB群
エネルギー代謝に関わる
疲労を防いで、髪もつやつや
●鉄
貧血や冷えの予防に
●カルシウム
イライラ防止、骨粗鬆症の予防
●食物繊維
腸の働きを良くしてお通じの改善に
●その他
今話題の「エクオール」は、大豆イソフラボンの成分から、腸内細菌の一つである「エクオール産生菌」によって作られます。
*詳しく知りたい方は
こちら
大豆製品には種類がたくさんありますが、健康成分をとるには、大豆を「丸ごと」使用した食品(納豆、大豆粉、きな粉など)がおすすめです。
大豆の栄養をとるなら、一物全体食で「丸ごと」いただきましょう。
【参考】
aff [あふ] 2016年6月号 (発行:農林水産省)
農林水産省ホームページ 大豆のまめ知識