涼しくなってきて秋の気配が感じられますね。
きのこ、さつまいも、栗、れんこん、ぶどう、梨など・・・
秋は、美味しい食材がたくさん出てくるおいしい季節です♪
旬のものはおいしい上に栄養価も高く、また手軽に安く手に入れることができ、嬉しい事がいっぱいです。
そんな実りの秋に旬を迎える食材の中から、今回は
「きのこ」をピックアップしてみました。
低カロリーなのに栄養満点!きのこの健康パワー
きのこといえば、ヘルシー食材の代表格。きのこは100g当たり25kcal程度(*)と低カロリーながら、料理に使うとボリュームが出て、満腹感を得ることができます。
しかし、ただ低カロリーなだけではありません。きのこには健康に必要な栄養がたっぷり含まれています。
●ビタミンD
紫外線を浴びることによって体内で合成することができる唯一のビタミンで、「太陽のビタミン」と呼ばれています。骨の健康や免疫力に関わります。
きのこに含まれるビタミンDは、天日干しして紫外線を当てることで増やすことができます。ただし市販のきのこの中には機械を使って人工的に乾燥させているものもあるので、使う前に天日干しをして紫外線に当ててから使うのがおすすめです。
ビタミンDについて詳しく知りたい方は、
こちらの記事をご覧ください。
●ビタミンB群
ビタミンB1、B2、B6など、糖や脂肪、たんぱく質の代謝に関わるビタミンB群も多く含まれています。
●カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。
ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。
●食物繊維
きのこは100g中約3〜5g(*)と食物繊維を豊富に含みます。
食物繊維には
- 食物中のコレステロールや糖の吸収を抑える
- 善玉菌のエサになって腸内環境を整える
- 便のかさを増やしてお通じを整える
などの働きがあります。
●β-グルカン
グルコース(ブドウ糖)がいくつも結びついた多糖類の一種で、食物繊維の仲間。
免疫力強化やコレステロール値上昇抑制などの効果があり、多くの可能性を秘めている成分として現在でも研究が進められている、注目の成分です。
*日本食品標準成分表2020年版(八訂)[文部科学省] に掲載されている「きのこ類(生)」19種類の値を参考にしました。
いろいろな「きのこ」の種類
|
いつでも安価で手に入る エノキタケ
糖たんぱくの含有量がきのこ中トップクラス。コレステロール値を下げ、免疫力を高める。ブラウンエノキタケも同じ効果が期待できる。生100g中3.9gの食物繊維。 |
|
アワビのような歯ごたえ エリンギ
歯触りが良いのが特徴。体脂肪の低減効果、中性脂肪の吸収抑制などが確認されている。糖質、脂質などの代謝を促すナイアシンも多い。生100g中3.4gの食物繊維。 |
|
きのこといえばコレ シイタケ
含有成分エリタデニンがコレステロール値を低下させる。日光に当てるとビタミンDに変化するエルゴステリンが豊富。加熱でうま味成分が10倍に。生100g中4.9gの食物繊維。 |
|
シメジとして出回っている ブナシメジ
糖尿病マウスにブナシメジエキスを与えると内臓脂肪が減少するという研究結果が出ている。白いブナシメジには動脈硬化抑制作用が確認されている。 |
|
独特のヌメリが特徴 ナメコ
ヌメリ成分である水溶性食物繊維(ムコ多糖類)は、腸内でコレステロールや胆汁酸をからめとって便として排出させるほか、たんぱく質の吸収や消化を高める。 |
|
和名はツクリタケ マッシュルーム
食物繊維は生100g中2gと主なきのこの中で最も少ない。含有成分であるシャンピニオンエキスには、体臭や便臭を抑える効果がある。「西洋マツタケ」の別名も。 |
|
香り高くうまみも◎ マイタケ
動物実験で血中コレステロールを低下させる作用が確認されている。ヒトは血糖値の上昇抑制、便秘改善作用などのデータがある。 |
|
日本人が古くから食べてきた ヒラタケ
かつてシメジとして流通していった時期もある。血栓を作りにくくし、血液の流れを促す。 |
|
コリコリ食感が料理のアクセントに キクラゲ
黒キクラゲには血液サラサラ効果があり、白キクラゲは新陳代謝を促して美肌に導く。生100g中5.6gと豊富な食物繊維を含む。 |
|
うまみの多いきのこ ホンシメジ
免疫力アップ、脂肪分解酵素の働きの抑制作用がある。疲労回復に役立つオルニチンが多い。 |
|
シャキシャキした歯触り ハタケシメジ
血栓を作りにくくする作用が特に強い。ブナシメジなどに多い苦み成分を含まず食べやすい。 |
|
日本のきのこの王様 マツタケ
香り成分マツタケオールなどには、食欲増進や消化酵素の分泌を促す作用がある。 |
手軽で便利な「作り置ききのこ」
きのこは生のままだと日持ちしないので
「作り置ききのこ」にしておくと手軽で便利です。
きのこには独自の健康成分を持つものが多いので、数種類を混ぜて食べることをおすすめします。
作り置ききのこ❶
冷凍ミックス
きのこは冷凍すると、細胞の中の水分が膨張して細胞壁が壊れ、有効成分を効率よく引き出せます。冷凍庫で1ヵ月ほど保存できます。
-材料-
-作り方-- 石突きを取り、エノキタケは約5cmの長さに、エリンギは長さ約5cm×厚さ約5mmに、シイタケは5mmの薄切りにする。
- 保存袋に入れ、空気をできるだけ抜いて冷凍する。
-アレンジ例-- そのまま味噌汁に入れて
- 筑前煮に入れて
- 魚と一緒にホイル焼きに
味がついていないので、和洋中どんな料理にも自在にアレンジできます。
作り置ききのこ❷
さっと煮なめたけ
さっと煮るだけで簡単にできる、忙しい人向きの作りおききのこ。冷蔵庫で5日ほど保存できます。ナメコの粘りでほかの食材にも絡みやすい。
-材料-
(調味料)
-
醤油:大さじ1と1/2
-
日本酒:大さじ4
-
梅干し:大1個
-
だし昆布:3cm
-作り方-- 鍋に調味料と石突きを落としてほぐしたナメコとシメジを入れて混ぜる。
- 弱めの中火で時々かき混ぜながら蓋をして5分煮て、蓋を取ってから5分加熱する。
-アレンジ例-- 納豆とあえて
- サラダのドレッシング代わりに
- 焼き魚のたれとして
作り置ききのこ❸
スパイスキノコ
スパイスの作用で脂肪燃焼効果がアップ。体も温まり、腸の動きも活発に。冷蔵庫で5日ほど保存できます。
-材料-
-
シイタケ(みじん切り):100g
-
エノキタケ(みじん切り):200g
-
クルミ(粗く刻む):40g
-
ニンニク(みじん切り):2片(15g)
-
唐辛子(水で戻して種を取る):1本
-
オリーブオイル:大さじ2
-
塩:小さじ1
-
コショウ:適量
-作り方-- フライパンにクルミ、ニンニク、唐辛子、オリーブオイルを入れて火にかける。
- 香りが立ち、クルミが色付いたらきのこを入れてさらに炒める。
- 全体に油がなじんだら塩を入れ混ぜ、しんなりして水分が飛んだら火を止めてコショウを振る。
※好みでショウガのみじん切りを大さじ1程度加えてもおいしい。
-アレンジ例-
今が旬のきのこを、毎日の食卓に手軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。