皆さんは野菜を十分に食べていますか?
野菜は「健康に良い」と理解していても、意識しなければ十分な量をとるのが難しいですよね。
今回は、日本人の野菜摂取量の現状と、野菜をたくさん食べるメリットや工夫をご紹介します。
日本人の野菜の摂取状況
「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに
「野菜類を1日350g以上食べましょう」と掲げられています。
しかし、厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、成人1日の野菜平均摂取量は、男性で288.3g、女性で約273.6g。
目標値である350gを満たしている人は、成人の男女共にすべての年代の平均で30%程度。特に20代・30代の女性が14.8%と、若い女性に野菜不足の人が多い傾向にあり、健康への影響が心配されます。
日米の野菜消費量が逆転!
実は、
アメリカ人よりも日本人のほうが野菜の消費量が少なくなっていることをご存知でしょうか。
米国では80年代から野菜の消費量が増加しており、90年代中頃には日本を上回っています。
一方、日本では肉類・油脂類の消費が増え、野菜や穀類の消費が減少する
「食の欧米化」が起きています。
野菜をたくさん食べるメリット
1.ビタミン・ミネラルの重要な供給源 野菜に含まれるビタミンは、食品に含まれている栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)が体内でエネルギーに変わる手助けをしてくれます。摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)をとることが必要です。
ミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠です。特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。色の濃い野菜(小松菜、カボチャ、水菜など)には、カルシウムも多く含まれています。
-Point-
捨てられがちな野菜の葉や皮にもビタミン・ミネラルなどの栄養がぎゅっと詰まっていますので、丸ごと食べる(一物全体食)のがおすすめです。
2.食物繊維が豊富 食物繊維は、腸を刺激してお通じの改善につながったり、腸内で善玉菌のエサになったりと、腸内環境の改善に役立ちます。
また、食事の前に食物繊維の多い野菜を食べると、食後血糖値の上昇を抑えてくれます。
3.嬉しい機能性成分 野菜には、抗酸化作用のあるポリフェノール、粘膜強化に働くカロテノイド、免疫に関わるβ-グルカンなど、機能性成分であるファイトケミカルが含まれます。
4.ダイエットに最適 野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら「かさ」が多いため、食事全体のカロリーを抑えられると同時に、かさ増し効果で満腹感を得ることができます。さらに豊富なビタミン・ミネラルが代謝をサポートしてくれます。
野菜をたくさん食べる工夫
○加熱して「かさを減らす」
野菜を蒸したり、茹でたりすると、かさ(体積)が減るので、生野菜よりも量を多くとることができます。
○「具だくさんの汁もの」で食べる
みそ汁やスープなどは、生よりもたくさんの野菜を食べることができ、汁に溶け出したビタミン・ミネラルなどの栄養素を逃さずとることができます。
○「ストック野菜」を上手に活用
野菜を下処理したうえで、冷蔵庫や冷凍庫に保存して日々の献立にうまく取り入れるのもおすすめ。(キノコ類は小分けして冷凍保存、ごぼうやレンコンは茹でて冷凍保存、ほうれん草やにんじんは茹でて容器で冷蔵保存、など)
○「野菜が主役」で量を増やす
野菜を副菜として食べるだけではなく、野菜をメインにした料理を作ることでも食べる野菜の量を増やすことができます。
○「乾燥&冷凍野菜」を活用する
野菜の値段が高騰する時期は、年間を通じて基本的に価格が変わらない乾燥・冷凍野菜を使うのもよいでしょう。カット済み野菜をうまく取り入れれば調理の時短にも。
毎日を健康に過ごすために、普段の食生活の中に野菜を上手に取り入れましょう。
【参考】
令和元年国民健康・栄養調査 [厚生労働省]
野菜の消費をめぐる状況について(平成25年)[農林水産省]
健康日本21 [公益財団法人健康・体力づくり事業財団]
e-ヘルスネット [厚生労働省]