私たちが「いつまでもキレイだな」と感じる魅力的な人たちは、
毎日食べるものが自分たちをつくっていることを知っています。
「食べると太る」のではなく、
「太るのは栄養のないものを食べる」から。
「食べものは敵」ではなく、
「栄養のある食べものは味方」です。
カロリーと栄養はまったく別のもの。きちんと栄養のとれる食事をしていると、心と身体のコンディションが安定し、毎日をハッピーな気持ちで過ごせるようになります。
今回は、弊社管理栄養士 加藤初美の著書
『美人をつくる食事』から一部を抜粋し、食べる美容「発酵食品」の健康美容パワーをご紹介します。
ぬか漬けで腸や肌をキレイにする
ぬか漬けは、玄米を白米に精米することで生じる「ぬか」と呼ばれるお米の胚芽や表皮を使った「ぬか床」に、野菜を漬け込んでつくる発酵食品です。
ぬか漬けにすることで、
野菜を単体で食べるよりも栄養価が格段にアップ!生の大根とぬか漬けの大根を比べると、
ビタミンB1は16.5倍、ナイアシンは7.3倍、ビタミンB6は5.5倍にもなります。
加熱することなく食べることができるので、食材の栄養をそのまま身体に取り込めるというメリットもあります。
さらに、ぬか漬けに含まれる乳酸菌の働きによって腸がキレイになると、食べたものから栄養をしっかりと吸収できるようになります。すると身体を流れる血液もキレイになり、肌の調子も良くなる、という好循環が生まれます。
糀で腸内ビフィズス菌UP
日本の発酵食品に欠かせない「糀 or 麹(こうじ)」は、米・麦・豆などの穀物に“麹菌”を繁殖させたもの。
糀には、食べものの栄養を分解して消化・吸収を助ける役割を果たす「消化酵素」がたくさん含まれています。
米こうじ菌から産生される酸性プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)は、
腸内のビフィズス菌を増加させることが分かっています(*1)。オリゴ糖よりもはるかに少量で腸内のビフィズス菌を増やしてくれる作用があるそうです。
ビフィズス菌などの善玉菌が増えると、腸内環境が整い、さらにビタミンB1、B2、B6、ナイアシンなど
肌の代謝に影響するビタミン類をつくってくれます。
*1 広島大学大学院生圏科学研究所の加藤展久教授らの研究(動物実験の結果)
たまねぎと糀で美味しい自家製コンソメ作り
糀を使いこなせるようになると、いつものお料理がぐんと美味しくなるだけでなく、腸や肌の調子が上がってくるのを実感できるようになります。
糀を使った発酵調味料には、塩こうじや醤油こうじなど様々ありますが、今回ご紹介したいのが、
たまねぎ・糀・塩だけで作る「たまねぎ糀」です。
たまねぎと糀の生み出すうま味と発酵パワーが掛け合わされることで、甘さの奥に塩気と野菜の美味しさを感じる、コンソメのような深い味わいに変化します。
たまねぎに含まれている
硫化アリルは、血液をサラサラにしてくれる成分です。
さらに
ケルセチンという抗酸化物質は、市販の日焼け止めクリームに配合されている、シミやシワ対策・美肌づくりをサポートする成分です。脂質の代謝をスムーズにする働きもあるため、スッキリとキレイになりたい方にもおすすめです。
たまねぎ糀
-材料(4人分)--
たまねぎ:1個(200g)
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北海道玄米糀:100g
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自然塩:35〜40g
-作り方--
たまねぎはすりおろします。(ミキサーやフードプロセッサーを使用してもOK)
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"1"の玉ねぎを熱湯消毒した瓶などの容器に入れ、糀と塩をよく混ぜ合わせます。
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1日1回かき混ぜながら、常温で1週間程度で完成です。
-ポイント--
和洋中どのお料理にも合うので、スープや煮物はもちろん、ドレッシングやソースなど、さまざまなメニューで活躍する万能発酵調味料です。
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冷蔵庫に「自家製コンソメ」として常備しておくと、お料理にコクや旨みをプラスしたい時に重宝します。
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魚や肉を漬け込んでおくと美味しい料理に仕上がります。
たまねぎ糀を使ったレシピをみる
朝いちばんの味噌汁で美腸をつくる
味噌は、大豆に米や麦などの糀と塩を合わせた発酵食品。アミノ酸、ビタミン、旨み成分、香り成分などの成分が発酵によって増えています。私たちの身体を健やかにキープするための
必須アミノ酸も9種類すべて含まれています。
味噌汁に海藻や旬の野菜などの具材を加えることで、栄養価はさらにアップします。
そんな味噌汁は、
朝食に飲むのがオススメです。その理由は
「腸にいいから」。
朝の腸が空っぽの身体は、“軽い断食”をしているような状態です。空っぽになった身体にとって大事なのは、「まず何を食べるか?」です。
はじめに“身体にいいもの”を食べることは、腸内環境をよくするポイント。一杯の朝の味噌汁は、強く美しい腸をつくる、日本が誇るパワーフードです。
今は、いつでもどこでもなんでも食べることができる時代。だからこそ、「自分にとって必要なものは何か?」「自分に合った食べ物は何か?」と考えたり選んだりして、毎日の食事を大切にしていきたいですね。
【参考】
書籍『美人をつくる食事』加藤初美(管理栄養士)/徳間書店