赤ちゃんにとって、最高の栄養は母乳です。
特に、分娩直後から4日までの母乳は初乳と呼ばれ、
免疫物質の中心的な役割を果たす「免疫グロブリンA」を、
後の母乳の10〜20倍も含んでいます。
母乳は抵抗力のない赤ちゃんを守り、アレルギーの原因となる
不要な物質が体内に取り込まれるのを防いでくれるのです。
お母さんが食べた食事の影響はすぐに母乳に現れます。
アレルゲンになり易い動物性食品を過食せず、ビタミン・ミネラルが豊富で
解毒効果もある食物繊維や、ファイトケミカルなどを含む穀物(米)や野菜、
海藻、豆類など植物性食品を努めてしっかり食べるようにしましょう。
「寝る子は育つ」ということわざがありますが、これは本当です。
人間の体内で分泌されるホルモンは24時間周期で変動しており、
成長ホルモンは深夜に多く分泌されます。
ちなみに、お母さんの催乳ホルモンも深夜に多く分泌されます。
「若返りホルモン」の異名を持つ成長ホルモンは、子どもの成長を
促進するだけでなく、大人の細胞を活性化させる働きもあります。
良い睡眠を取ると肌が修復されるのもそのためです。
また、東北大学などの日米共同研究チームは、「夜寝かしつける際は、
部屋をできるだけ暗くするのが望ましい」と指摘しています。
目の網膜にある光を感じる細胞は、きわめて弱い光にも反応することが
わかっており、夜も明るいと遺伝子が混乱を招くというのです。
夜更かし、昼夜逆転の生活は子どもだけでなく、大人にも良いことではありません。
ホルモンの働きを正常にするため、質の良い睡眠を取りましょう!
「NHK国民生活時間調査」によると、子どもの睡眠時間は昔に比べて
短くなっており、小学生は39分、中学生は61分も減っています。
そのため多くの子どもは睡眠不足を訴えています。
東京都公立学校の児童生徒が自ら感じる健康状態の
上位10項目を見てみましょう。
(1) 眠い
(2) 横になって休みたい
(3) 目が疲れる
(4) 体がだるい
(5)
急に倒れそうになったり目まいがする
(6) 肩がこる
(7) 腰や手足が痛い
(8) 大声を出したり思いっきり暴れまわりたい
(9)
根気が無くなる
(10)イライラする
夜型の生活習慣は自律神経やホルモン分泌のリズムを乱し、
朝食抜きになりやすく、子どもの肥満・高血圧・脂質異常症・
糖尿病といった病気や、いじめ、非行の問題にもつながります。
また文部科学省の調査によると、中学3年生のうち「体重が平均体重の80%以下」
という痩身傾向のある生徒が、1977年に比べ2002年には3.2%も増加しています。
睡眠不足は、健康状態の低下だけでなく学力と生命力の低下にもつながるのです。