初秋は夏の疲れが出やすい時期。
シャワーでサッとすませる人も多いと思いますが、
湯船につかった方が疲れがとれて良い場合があります。
一晩眠ってもスッキリしないと感じたら、
お風呂の入り方を変えてみてはいかがでしょう。
たとえば、今日は疲れたなぁと思った時、
それが「体」の疲れか「心」の疲れかによって
お湯の温度を変えるだけで、回復の仕方が違います。
スポーツや肉体労働で筋肉が疲れている時は、
熱めのお湯にサッとつかると交感神経が働き、
新陳代謝を促進して疲労物質や老廃物の排出を助けます。
心の疲労回復には、ぬるめのお湯にゆっくりつかって
副交感神経の機能を高めることが効果的。
副交感神経が筋肉をゆるめ、血管を広げ、心拍数を減らして、
高ぶった神経を鎮めてくれます。
入浴時に体が受ける作用は、温度・深さ・タイミングによって異なります。
42℃前後の熱めのお湯に3〜4分つかって出たり入ったりする
"高温反復法"では、軽いランニング程度に心拍数が上昇します。
カロリー消費もアップするのでダイエット中の入浴法として注目
されていますが、心臓への負担、体力の消耗には注意が必要です。
38〜40℃位のぬるめのお湯に胸の下までつかる"半身浴"のメリットは、体への
負担が少ないこと。その分長く入っていられるので、体が芯から温まります。
肩こりや冷え性の改善には、冷水浴を取り入れた入浴法が効果的。
ご家庭ではシャワーを活用すると簡単です。
熱めのお湯に肩まで約3分つかって上がり、冷たいシャワーを
約10秒間手足にかける。これを3〜5回繰り返します。
冷水の刺激で体の表面付近の血管が収縮、次にその反動で血管が
拡張するため血液の循環が盛んになり、手足がポカポカした状態が
続きます。最後に冷水をかけた後、すぐに水分をふき取って
お風呂から上がるのがポイントです。
肩こりには、凝った部分に熱めのシャワーをあてるとマッサージ効果が得られます。
「特に運動もしていないし、心の疲労も思い当たらないけど、
なんとなくスッキリしない…。」
そんな時こそ、お風呂でゆっくり汗をかいてください。
汗には体温調節だけでなく、体内の不要なものを排出する働きもあります。
空調のきいた部屋で過ごすことが多いと、様々な老廃物が体内に溜まったまま。
老廃物を排出する「デトックス」も注目されていますが、
もっとも手軽なデトックスはお風呂でゆっくり汗をかくことです。
ゆっくり汗をかく方法として「3ステップ入浴法」をご紹介します。
まず「温かい」と感じるくらいのお湯に、膝から下だけ2〜3分つかり、
お湯の温度を少し上げてさらに1〜2分つかります。
次に、おへそから下だけ2〜3分つかって、更に若干温度を上げます。
その後はそのままの温度で、肩まで1〜2分つかれば終了です。
足先には毛細血管が、腰には内臓の神経が集まっているので、
足から腰をゆっくり温めることで体が芯から温まり、
一般的な半身浴よりも短時間で汗がじわーっと出てきます。
様々な効果が期待できる入浴ですが、コンディションによっては
体の負担になることもあります。
・空腹時や食事の直後、飲酒の後は避ける
・寒い季節は脱衣所や浴室を温めておく
・入浴前後に水分補給をする
・入浴後は体をゆっくり休める
など、基本的な注意事項を守りましょう。
半身浴をしながら、本を読んだり音楽を聞いたりするもの良いのですが、
頭の緊張をとるためには何もしない方がいいという意見もあるようです。