Vol.1182015年12月22日配信
こんにちは、玄米酵素の内糸です。 年の瀬のイルミネーションが目を楽しませてくれる季節となりました。 クリスマスに忘年会、新年会と、これからの季節はお酒を飲む機会が多くなりますよね。 アルコールには気持ちをリラックスさせたり、愉快な気分にする効果がありますが、 その一方で、つい飲みすぎて次の日は二日酔いでぐったり…なんてことも。 お酒と上手に付き合う方法を知って、楽しく健康的に過ごしましょう。 お酒は人生の楽しみの一つです。お猪口1杯も飲めない人もいる一方で、毎日1升も飲み、89歳の生涯を優れた日本画家として全うした横山大観の例もあります。
横山大観は成人してからはほとんど「酒が主食」で、日本酒と栄養のあるおつまみで過ごしたそうです。そして、亡くなった後の解剖の結果では、肝臓は健常でアルコール中毒などはありませんでした。しかし、こうした体質はごく稀であり、普通は1升もの酒を毎日飲めば体を壊すでしょう。これは遺伝子の相違が大きく関係します。 今回はアルコール代謝の仕組み、遺伝子の違いによるお酒に対する体質について、またお酒と上手に付き合う食事法をご紹介します。
1.吸収 体内に入ったアルコールは、約20%が胃から、その他の大部分が小腸から吸収されます。吸収されたアルコールは、血液に溶け込んで全身へと拡散された後、最終的に肝臓へと運ばれます。 2.代謝:第1段階 肝臓ではアルコールの約90%が代謝されます。このとき主にアルコールを代謝するのはアルコール脱水素酵素(ADH2)です。ADHによって、アルコールはアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは、お酒を飲んだときに顔が赤くなったり、動機や吐き気、頭痛などの原因となる物質です。 3.代謝:第2段階 アセトアルデヒドを分解して酢酸にする酵素がアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)です。肝臓で分解しきれなかったアルコールは肝静脈を通って心臓に送られ、全身を巡り、再び肝臓に戻って分解されます。 4.排出 酢酸は無害な物質で、全身を巡るうちに水と炭酸ガスに分解され、体外へ排出されます。また、アルコールのうち約10%は代謝されないままに汗や尿、呼気として体の外に出ていきます。 お酒に強いか弱いかは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)のタイプの違いで決まります。アルデヒド脱水素酵素は517個のアミノ酸が連なったたんぱく質でできており、このうち一部が変化したものを欠損型といいます。この欠損型の種類によって、お酒に対する強さは3通りに分けられます。 さらに、お酒で酔いやすいかどうかはアルコール脱水素酵素(ADH2)の反応速度で決まり、この酵素にも3通りの遺伝子型があります。
1.肝機能を高める 体内に入ったアルコールは、肝臓で酵素によって分解されます。そのため、肝機能を高めて酵素の働きを活性化させる食事が良いでしょう。良質のたんぱく質やビタミン・ミネラル(補酵素)を十分にバランス良く取れる玄米、胚芽米、大豆製品、ごまなどがオススメです。発酵食品はビタミン・ミネラルの吸収が良いため、献立に取り入れるようにしましょう。 2.食べながらゆっくり飲む 空腹時にお酒を飲むと、アルコールの吸収が早く、胃や肝臓に大きな負担となります。良質なたんぱく質がアルコールの刺激から守ってくれるので、豆腐や枝豆などをとりながら飲むとよいでしょう。酔いの解消に役立つアミラーゼの多い大根や、肝機能を強化し酵素の働きを助けるタウリンが多いアサリ、タコなどもオススメです。 3.不足しがちなビタミンB群をとる お酒を飲むと不足しがちになる栄養素はビタミンB群。特に【ビタミンB1】は、アルコールに含まれる糖分を分解するために大量に消費されるため、不足しがちになります。ビタミンB1が不足すると、糖分をエネルギーに変えることができなくなり、乳酸やピルビン酸などの疲労物質が溜まってしまいます。また、ビタミンB1はアルコールを分解するときにできる有害物質を分解する働きもあります。そのため、お酒を飲む時は意識的ビタミンB1を多く含む食品<玄米、胚芽表皮、種実類、豆類(大豆・大豆製品)、豚肉、うなぎ>を選ぶようにしましょう。 4.それでも二日酔いになったら… 基本的には時間が解決してくれるのを待つしかありません。水分を十分に取り、体調が回復するまでゆっくり休みましょう。回復には、和食(ご飯、味噌汁、納豆、野菜の胡麻和えなど)が一番です。
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