Vol.1062014年12月22日配信
キレイな腸とは、腸の働きがよく、便が滞留していない状態です。健康的な腸内では、腸内細菌のバランスがよい状態です。腸内細菌の種類は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分けられ、ベストバランスは善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7です。悪玉菌が増えバランスが偏ると、体に不都合が生じます。 |
腸も年齢とともに老化し、腸内の老廃物を出す力が弱まってきています。その結果、腸内に有害な腐敗物質がたまりやすくなってきたり、腸内細菌のバランスが悪くなって、悪玉菌が増えてきたりします。ただ腸年齢は、生活習慣やストレス、食べ物に気を付けることで、実年齢より若く保つことが可能です。腸年齢が若い人は、健康状態・体力・気持ち・容姿なども若い傾向にあることがわかっています。 また、腸内環境がいいとアレルギーになりにくいなどは、比較的よく知られている話ですが、近年の研究によって、脳の病気や免疫疾患などにも関連があることがわかってきています。 |
意欲や幸福感に関わるドーパミンなどの脳内物質の産生に、実は腸内細菌が関わっています。それゆえ、腸内環境が整っていると、脳の働きがよくなる可能性が高いと、最新の研究テーマニして注目されています。 |
悪玉菌が多い腸は、発がん性のある有害物質を多く産生し、腸の病気を引き起こします。さらにその有害物質は、腸壁から血液を通じて全身を巡ります。また免疫細胞の約70%は腸内に存在しますが、腸内環境が悪くなると免疫細胞の働きに問題が生じ、免疫系の病気に関わってくると考えられます。 |
子宮の中の赤ちゃんは無菌状態。腸の中にも細菌はいません。産道を通るときに、膣内や隣接している肛門から母親の菌を受け取ったり、母乳を取ることで腸内のビフィズス菌を増やしていったりします。 |
腸内細菌の新種プレビウス菌のうち、日本人の大便由来の菌に海藻の食物繊維分解遺伝子があることが、フランスの研究者によリ発見されました。日本人は生の海藻を食べる習慣があり、海藻の繊維分解遺伝子を持つ海洋細菌からその遺伝子がプレビウス菌に伝播したのではと考えられています。 |
肉食中心の食事などが原因で腸内環境が悪化すると、排便のときに腐敗臭がします。つまり、腸の中も悪臭が漂っている状態といえます。この悪臭分子が腸から吸収されて血流とともに全身をめぐれば、体臭に影響する可能性は十分考えられます。 |
脳に幸福を感じさせるホルモンはセロトニンと言われていて、このセロトニンの95%は腸でつくられています。腸の状態が悪いと、セロトニンがスムーズに分泌されないため、腸をキレイにすることが重要です。ただ、うつになることで腸内環境が悪くなるのであり、腸内環境の悪化でうつになるという訳ではありません。 |
キレイな腸は、体にも心にもいいことがいっぱい!腸の大切さを見直してみましょう。 |
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■参考:雑誌「FYTTE」2014年11月号 |