|
中高年はもとより、子ども達にまで、気になる兆しがおよぶ生活習慣病。近年、増加の一途をたどっています。その一因と見られるのが、過食、偏食、ストレス、運動不足などによる肥満です。そして「痩せたい、体重を落としたい」と、さまざまなダイエット法が話題を呼んでいます。でもその中には、注意を要するような極端なダイエット法も…。そこで今回は、体にとって無理のない"健康的なダイエット"のお話です。 |
|
|
肥満といっても、見た目では本当のところはわかりません。肥満は一般に「症候性肥満(二次性肥満)」と「単純性肥満(原発性肥満)」に分けられます。症候性肥満とは、原因となる病気がある肥満のこと。単純性肥満は、主に食習慣(食べ過ぎ)や運動不足が原因となるもので、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回るために起こるもの。肥満の多くはこのタイプです。
肥満そのものは深刻な問題ではありませんが、糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病、動脈硬化、肝障害、がん、関節症、慢性腎炎、痛風などの発症に大きく影響してきます。
|
|
実際に自分が肥満であるかどうかが簡単にわかり、通常よく使われているのが、身長と体重を測定して計算式に当てはめるBMI(ボディ・マス・インデックス)と呼ばれる方法です。 |
【計算式】 BMI=体重[kg]÷(身長[m]×身長[m])
この数値が18.5〜25.0なら普通の範囲内で、 25以上は肥満とされています。標準は22です。 そして、自分の標準体重を知るには、
【計算式】 標準体重[kg]=身長[m]×身長[m]×22
|
|
で算出します。これで出た標準体重よりも、+20%以上なら肥満症、−20%以上なら痩せ(痩せ過ぎ)です。その場合は真剣に改善に取り組みましょう。±10%〜20%の間なら、これ以上肥らない・痩せないように努めます。 |
|
さて、ダイエットの仕方ですが、カロリーを控えればよいと、安易に食事を抜いたり、減食するのは良くありません。空腹は、内臓が脂肪を蓄えて「飢えの危機」に備えてしまい逆効果。特に肝臓は、ダイエットを繰り返すと、脂肪肝になりやすくなります。 |
|
食事を抜かなくてもビタミン・ミネラルに不足があると、せっかく補ったエネルギー源がうまく代謝できず、肥満に拍車をかけることに。早食い、まとめ食い、夜遅い食事も同様にエネルギーが処理しきれず、体脂肪を増やす原因となるのでやめましょう。
また、肥っていると痩せにくいという悪循環もあります。細胞膜にコレステロールや過酸化脂質がついてしまい、インスリンが細胞内に入れず、ブドウ糖をエネルギーに変えることができず(代謝できない)、体脂肪になりやすいのです。細胞内に入れなかったインスリンは血液中に残り、これによりさらに食欲中枢は「もっと食べよ!」と指令を出してきます。 |
|
やはりダイエットの基本は食事です。欠食や夜食、遅い夕食、食べ過ぎなどの行動を改善し、規則正しい食生活を心掛けましょう。食べ過ぎを防ぐ秘訣は、「ゆっくりよく噛んで食べること」。ゆっくりよく噛むと唾液は一日に500mlのペットボトルで3本分も胃に送られます。そうすると脳が満腹サインをキャッチし、少ない量でも充足感が得られます。また食べている間は心地良く、副交感神経が働きます。それで、ストレス緩和とインスリン抵抗が下がり「もっと食べよ!」の司令がストップ、一石二鳥の効果があるのです。 |
|
シワやたるみがなく美しく体重を落とすには、代謝を促進する酵素と筋肉が重要です。それには、ビタミンとミネラルとたんぱく質にポイントが。たんぱく質はダイエット効果の高い大豆製品が最適です。大豆のベストパートナーはお米。未精白穀物と豆類に含まれるクロムはインスリンの効果を高めます。植物性食品の食物繊維はデトックス(解毒)やコレステロール排泄効果があります。 |
|
さあ、始めるなら、植物性食品たっぷり、栄養素をきちんととったハツラツ元氣なダイエットを!
* * *
■参考:はい!元氣らいふ2008年5・6月号
|
|