「一物全体食」という考え方をご存じでしょうか。
その食物を丸ごと、余すところなくいただく、という考え方です。
例えば大根なら、葉も捨てず、皮もむかずに全部使うということ。
これが体にとってはとても良い食べ方なのです。
では、なぜ"一物(いちぶつ)"全体を食べると良いのでしょうか。
食品を丸ごといただくということは、当然ながら
その食品が持つ栄養が全部取れるということです。
お米で言えば精白米ではなく玄米がいいわけです。
それは精白して取り除かれた胚芽や表皮の部分に、
たくさんのビタミン・ミネラル、そして食物繊維が
含まれているからです。
中でも玄米と精白米では食物繊維の量が大きく違います。
近頃「低炭水化物ダイエット」と称して、
玄米どころか白米も食べない方がいますが、
食物繊維の不足で「停滞腸(腸が動かない)」となり、
便秘に悩まされることが多くなり、腸内環境も悪化し、
病気になるリスクが高まります。
お米のベストパートナーと言われる大豆。特に「イソフラボン」は
注目の成分です。この成分は、血液サラサラ効果やがん予防、
骨粗鬆症の予防など、たくさんの利点をもっています。
しかし大豆からイソフラボンという成分だけを抽出し、
強化食品や錠剤などとして摂取すると、植物性エストロゲンとして
内分泌撹乱作用を起こすということが分かってきました。
もちろん、大豆や大豆加工食品(豆乳・豆腐・納豆など)を
食べることによって、内分泌撹乱作用が起きるという報告は![](//www.genmaikoso.co.jp/mailmagazine/1202/120215_5.jpg)
されていませんのでご安心ください。
イソフラボンに限らず、1つの成分だけを抽出したり
強化させたりした食品を取ると、バランスを崩して体に悪影響を
与えてしまいかねません。過剰摂取による健康障害のリスクを
避けるには、食品として丸ごと取るのが望ましいのです。
大豆は、イソフラボンだけでなくコレステロール値を下げるレシチンや
抗酸化作用をもつサポニンなど多くの機能性物質を含んでいます。
さらには「胚軸」と呼ばれる芽が出てくる部分は、抗がん作用を
持っているというデータもあります。大豆も皮をむいたり、たんぱく質
だけを抽出するのではなく、丸ごといただくようにしましょう。
お米の場合はそうしたことがさらに顕著にいえます。
玄米の成分の中でも特に必須なのが「亜鉛」「銅」「マンガン」です。
この3つが同時に欠乏すると、活性酸素を消去するSOD(スーパーオキサイド
ディスムターゼ)の働きが落ちます。また、骨折しやすくなったり、
免疫機能の低下や、脱毛などの毛髪異常が起こってきたりします。