■栄養素を取り込む
小腸の内側にある上皮細胞膜には、栄養素ごとに特有の
トランスポーター(運び屋)というタンパク質があり、
それぞれの栄養素を認識して細胞内に取り込みます。
■有害物質を遮断するバリア機能
有害物質が入ってきた場合は、多量の水分を分泌(放出)
して、毒物を洗い流すように体外へ排出(下痢)します。
■消化・吸収を助ける
・運ばれてきた食物成分を素早く認識し、膵臓、肝臓、
胆のうなどに指令を発し、消化液を分泌させます。
・20種類ものホルモンを分泌して膵臓や肝臓の働きを高め、
消化・吸収を促進させます。
・食べ物が入ってきたことを感知すると、アセチルコリン
という伝達物質を副交感神経から分泌させて腸の運動を促し、
消化・吸収を活発にします。
■神経を興奮させたり抑えたりするアドレナリンや
ノルアドレナリンの分泌に関与しています。
■舌と同じように、食品の成分や化学物質を感知する機能があり、
その情報を脳に伝達しています。
腸にはたくさんの働きがあるため、腸の状態が悪くなると免疫力も
弱まります。すると有害物質が体内に溜まり、肝臓、膵臓など、
腸の指令で動く数々の内臓が弱ってきて、体力の低下が起こります。
↓解消するには…
野菜や海藻、きのこ類、穀物を積極的に食べて、
免疫機能に関与する腸内細菌、善玉菌を増やしましょう。
人間の腸の長さは10m〜12mくらい。非常に曲がりくねったうえに、
内側の壁には絨毛や微絨毛があってとても複雑。
この腸の壁は、顔や手をいった体の表面の細胞と同じ上皮細胞です。
肌と同じで毎日入れ替わるため、掃除をしないと垢が溜まり、
悪玉菌が増える原因になります。
この垢を掃除し、腸内細菌の市街と一緒に包み込んで便として
捨ててくれるのが「食物繊維」です。
食物繊維の取り方が少なくて便秘をしたり、肉食が続いたりすると、
腸内に硫化水素、アンモニアなどの有害ガスが発生します。
それらは腸から肝臓に運ばれ、そこから全身に影響を及ぼします。
人間にとって、食物繊維の豊富な植物性食品は必要不可欠、
まさに適応食だといえますね!