Vol.1032014年09月22日配信
皆さんが日頃から欲する食べ物には、何か共通した偏りはありませんか? | |
例えば、 ・夜になるとやたらとお酒が飲みたくなる ・夕方になると、決まって甘いものが欲しくなる ・秋や冬が近づくと、気持ちが少しダウンしてしまう など。 そういった自己の欲求や気持ちの変化には、必ず原因があります。ココロとカラダのバランスをとる鍵は、実はとても身近な植物や食べ物に隠されています。 |
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そこで今回は「薬膳」という観点から、ココロとカラダをサポートするヒントを探していきましょう。 |
中国の伝統医学からはじまった薬膳ですが、日本でも医食同源や一物全体といった観念は古くからありました。今では多くの人に忘れられている身近な生薬(薬草)なども、昔の人々はごく自然に取り入れていたのです。そもそも太古においては、食材も薬もすべてひとつの食べ物として扱われていたため、現代のように大きな区別はありませんでした。
昔の人は、生活の中で食べ物をすべて体感して分類していました。暑いときは体を冷やす食材をとる、寒いときは温める食材をとる、むくんでいるときは利尿作用のある食材をとる、乾燥する時は水分をキープする食材をとる、といった具合です。 そうやって先人から無意識のうちに受け継いできた食べ方は、現代にもまるごと応用できる生活の知恵であり、それが薬膳なのです。 |
中国で三千年にわたって育まれてきた、「薬食同源」=「医食同源」の思想に基づく薬膳の基本的考えは「陰陽五行説」にあります。 |
全てがバランス良く保たれることを重視するのが薬膳ですが、五行においては木が火を起こし、火は燃え尽きて土となり、土の中からは金が生まれ、金を熱して冷ますと水が生まれ、水は木を育てると考えられ、その全ての循環が滞ることのない状態が健康だと考えられています。 |
方角、季節、色、味、人間の内側・外側全てを五行にあてはめ、全体のバランスを考えます。 |
例えば、最近胃が弱っていると感じたら、まず胃の状態を表す口元に吹き出物ができたり何か変化がないかをチェックし、胃にあたる甘味や黄色い食べ物を意識して取り、白砂糖は避け、野菜や果物から自然な甘味を取り入れましょう。もし肺が弱っているなら、鼻がつまったり鼻水が多いなど何か鼻に変化がないかチェックし、肺にあたる白い色や辛味(体を温める食べ物)のある食べ物を取り入れます。 |
五味とは「酸(すっぱい)苦(にがい)甘(あまい)辛(からい)鹹(しおからい)」の5つのことです。それぞれの味覚に特有の効果があり、また五臓に対応して、その動きを助ける役割をします。ただし、すべての食べ物が有益に働くわけではなく、ある臓器に対してプラスに働いても、ある臓器にはマイナスに働くことも心得ておきましょう。 |
東洋医学では気・血・水のバランスが重要とされており、このいずれかが乱れるだけで体調を崩してしまうといわれています。 |
気の巡りが悪いと免疫力が低下し、気と連動する血の巡りにも影響を与えます。水の巡りが悪くなると、冷えやむくみ、関節の問題、様々なアレルギーを起こしやすくなります。すべての流れを健全に保つよう、あなたに不足する食材や食事法を探していきましょう。 |
カラダの状態は常に変化しているので、必要な栄養素(食べ物)はいつも同じとは限りません。カラダに良いからといって毎日同じものをずっと食べ続けると、最初は体調が良いかもしれませんが、しばらくすると必ずバランスを崩してしまいます。バランスをキープするには、まず自己を内観し、自分自身を知ることが大切です。 |
健康や美しさは、日々のほんの些細な気づきからはじまります。ご自身を観察して、ココロとカラダのバランスを上手に保ちましょう。 |
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■参考:Veggy
STEADY GO!(2011年 Vol.19) 書籍「楽しい食事
穀物野菜のヘルシークッキング」 |